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最新USレポ−ト 2011/03

 
 


第35回

互いに似ているものは、印象も似ているので独自色が薄れる。これを重畳現象という。お客の関心を引き付けず、印象にも残りにくい。売りたい商品、訴求したい商品やサービスは、圧倒的なボリューム陳列をし、他の商品POPとは異なる色のPOPを活用するなど、目立つ工夫をしなければならない。さもないと、他の商品に埋没してしまい、店が望むようには売れない。売り場自体もエキサイトメント感がなく、間延びした店になってしまう。店内の売場に差異をつけ、売り場にエキサイトメント感を与えるのがゴンドラエンドである。

a)演出の場

ゴンドラエンドで季節祭事や生活提案の演出をすることによって、お客に魅力的な売場を印象づけ、シーズンごとの提案を通じて、専門性の高い店舗だというイメージをつくる。

b) 回遊性を高めるツール

ゴンドラエンドは「第3のマグネット」といわれ、お客に店内を回遊させて定番ゴンドラへと導いていく役割がある。

c) 販促の場

チラシの特売品や祭事の販促を行い、お客に魅力的且つ変化に富んだ売場をアピールする。 いつも同じ陳列のエンドでは、お客に飽きられてしまうからである。

d) 売上げ・利益獲得の場

多くの小売業では、エンド1本の売上はゴンドラ3〜10本分の売上と同じくらいになる。 エンドを粗利益の高い商品の定番売場として積極的に活用し、売上げ・利益獲得の場として有効活用している。

下記のすべてを満たす必要はないが、少なくともどれか1つに該当する商品を陳列する。

a) エンドとつながっているゴンドラの商品と関連性がある商品

エンド陳列商品は、つながっているゴンドラの商品と関連していることが鉄則である。例えば、オーラル関連のゴンドラでは、エンドもオーラル関連の商品を陳列することが望ましい。何故なら、お客はエンド商品を見てゴンドラ内の商品種類が分かり、ゴンドラの中に導かれてくるからである。つまり、ゴンドラエンドは売場案内の役割もしているのだ。エンド商品がゴンドラ内の商品と関連性がない場合、お客にとっては非常に買い物しにくい売場になってしまう。例えば、駄目なドラッグストアでは、化粧品関連のゴンドラエンドにお肌に大敵の殺虫剤を配置したり、スナックのゴンドラエンドにペットフードを陳列したり、生理用品のゴンドラエンドに男性用のひげそりを陳列するといった無神経さだ。このような心遣いのない店舗に、お客は専門性も信頼性も見出せず、価格のみを追求する ことになるから、結果として利益が上がらない店舗になる。ゴンドラ商品との関連性を考えたエンド作りは非常に重要である。

b) 認知度の高い商品

エンドの目的には回遊性を高めることがあるが、エンド商品の認知度が低いと、お客の関心が商品に向けられないから、回遊性を高めることはできない。エンドにローカル商品を置く場合は、よく知られているローカル商品(地元の野球、バスケットボールなど人気チームの商品)や、新製品の場合は今盛んに広告されて話題になっている商品にする必要がある。PB商品のみのエンド陳列が多くの場合失敗するのは、認知度が低いからである。

c) 季節性のある商品

エンド商品によって季節感を出し、お客に必要な商品を思い出させたり、祭事に合った雰囲気を盛り上げることによってムードを高める。四季やクリスマスなど祭事に合った商品もエンドには欠かせない商品である。

d) 使用頻度の高い商品

トイレットペーパー、洗剤、飲料水、スナックなど使用頻度の高い商品は、お客は目に付いたときに衝動的に購入する確率が高い。エンド陳列には、まずお客の目を引く商品であることが回遊性を高めるうえで役立つ。

e) 利益率の高い商品

エンドは注目度の高い売場である。従って、お客が衝動的に購入する確率も高い。最もお客の目に付きやすい店舗入口前列のゴンドラエンドは、利益獲得の場と位置付けて利益率の高い商品を展開している小売店が多い。世界一のドラッグストアウォルグリーンは、前列ゴンドラは利益創造のエンドということで、利益率が50%以上ある商材を陳列している。

ウォルグリーンのゴンドラエンド及びその関連における法則について述べてみよう。

a) 決められている各エンドの役割

レジ前エンドは利益獲得の場及び祭事の場、奥のエンドは誘導のためのディスカウントエンド、調剤室前は薬剤師に相談する傾向の強いヘルスケア(風邪薬、鎮痛剤)のエンド、中通路エンドは育成商品及び誘導商品エンドという具合に役割が決められている。

b) 各ゴンドラエンドに目標利益額を決めるウォルグリーン

ウォルグリーンは「エンドは棚の3倍の利益を上げてしかるべきだ」という考えだ。そのため、エンドごとに重要度を決め、陳列する商品を選り分けている。その重要度はポイン ト制で分類され、1ポイントの基準粗利益額はセルフ売り場の売上高によって異なる。お客の通過率と視認率の両面から判断し、1〜5ポイントがエンドごとに付けられる。5ポイントは「一番稼ぐ」という意味だから、お客が多く通り目に付きやすい前面エンドがその対象になる。逆に、奥通路や中通路、角のエンドは通過率及び視認率に難があるのでポイントは低くなる。1ポイントのエンドは、しばしばクリアランスや「1ドルコーナー」に使われる。店長は週単位でエンドの成績をチェックし、ポイント分類に応じた利益が上がらない場合は商品を入れ替える。

【週売上高30万ドル店舗の「ポイントごとの基準粗利益額」】

エンドの種類

基準粗利益額

1ポイントエンド
600ドル
2ポイントエンド
1200ドル
3ポイントエンド
1800ドル
4ポイントエンド
2400ドル
5ポイントエンド
3000ドル

c) オーバレイ陳列の徹底

ゴンドラエンドにトイレットペーパー等のチラシ商品のみを陳列したのでは利益が出ない。そのため、トイレット関連のブルーレットや消臭剤を定番価格で一緒に陳列するオーバーレイ陳列を徹底することで、関連購買の促進と利益獲得の粗利ミックスを図っている。

d) ゴンドラエンド脇の陳列

ゴンドラエンド脇というのは意外と軽視されがちだが、実はプラスワンのスペースで、プラスワンの売上げと利益を上げる場所として重視されている。ゴンドラエンド脇に固定式什器を設置し、定番コーナーやアピールコーナーとして活用する。売り場管理が不十分だとすぐに欠品を起こすので、補充作業に注意する一方、長い間同じ商品を陳列しているとお客に直ぐ飽きられてしまうので、3ヶ月ごとに陳列商品の見直しをしている。

e) TLCという利益の高い商品を陳列する

TLC(テンポラリーローコストの略。3ヶ月程度継続して割引する商品。利益率の高い商品を対象にするケースが多い)という、ある程度長期に続けるディスカウント商品や、店長のお奨め商品を展開する。

f) ゴンドラの両サイドはトップNB商品を陳列する

ゴンドラの両サイドは主通路または中通路に面しているから、お客がよく歩き、お客の目に付く場所である。お客は歩きながら連結ゴンドラの商品を見て、その売場にどんな商品が陳列されているかを判断する。例えば、トップブランドのカップラーメンが見えれば、ラーメン関係やうどん、スパゲティなど麺類の商品が陳列されていると推測する。また、トップブランドの洗剤が見えれば、洗濯用品があると推測する。その場合、歩いている人から見える場所の連結ゴンドラの両サイドには、トップNB商品を陳列する。その商品が連結ゴンドラのビルボーディング、つまり広告板の役割を果たす。POPを積極的に張って注目率を高める。


 

 

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