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ビジネスの鉄則の一つに「一度捕まえた顧客は離すな」というのがある。しかしながら米国の小売業は「毎年平均20%顧客を失う」と言われている。最近の米国小売業リアル店舗はアマゾンに代表されるネットビジネスとの戦いに追われている。来店客数も伸びるどころか減少している企業が多い。その結果、シアーズ、トイザらス、スポーツオーソリティに代表されるかつての優良小売業が倒産に追い込まれている。そこで力を入れているのが、顧客流出の防止だ。米国スーパーマーケットでは一人の常連客を失う損失は10万jと計算している。その大切な顧客を失う要因としては、下記の表に見る通り「サービス関連」が65%と圧倒的に多い。

【顧客が競合に移ってしまう要因】
要因
ポイント
比率
 1)サービス
 -
65 %
 -
 顧客に対するケア不足
(20) %
 -
 サービスが悪い
(45) %
 2)商品
 良い品揃え
15 %
 3)価格
 安い
20 %

最近米国のドラッグストアウォルグリーン、CVSヘルス、そしてスーパーマーケットラルフスの幹部の人々と会う機会があった。その会話の中で彼らが Eコマースの脅威とロイヤルカスタマーの重要性について述べていたのが印象に残る。何しろ年間成長率でみると、総小売業は5%弱の成長だが、Eコマースは15%の成長をしている。そのような状況下、アル店舗は再度ひとり一人の既存客を大切にすることを心掛け、次の行動を徹底している。

ある店舗の従業員控室に次のように書かれたポスターが貼付されていた。
      
How Do You Spell CUSTOMERS(カスタマーの綴り)」
 
Customers are why you are here .(顧客のお陰で、我々は生活ができているのです。)
 
Understand their needs. (顧客のニーズを理解しなさい。)
 
Strive to be your best. (ベストを尽くしなさい。)
 
Try, try, try. (アクション・アクション・アクション)
 
Open checkstands when needed. (顧客がレジに並んだら、新しいレジを開きなさい。)
 
Make yourself available (いつでも顧客のお手伝いを出来るようにしなさい。)
 
Every customer is special. (どの顧客も特別な人です。)
 
Receive all customers with a smile (どの顧客をもスマイルでお迎えしなさい。)
 
Silence isn’t always golden・・・Speak Up (沈黙は金とは限りません。顧客に語りかけなさい。)

a) 第一は 「顧客とのコミュニケーション」
心理学の世界で”熟知性の法則”というのがあるが、人間は接触する機会が多いほどなじみになり、定期的に店を使ってくれる。

b) 第二は 「顧客がコメントし易い仕組みと問題の早期解決」
不満があっても、4%の顧客しか苦情を言わないといわれている。言い換えると、苦情を言ってきた顧客の背後には96%の人が黙って店を去っていくか、去る予備軍になっているということだ。黙っていられては手の打ちようがない。顧客から不満が出てこないからと言って安心はできない。顧客に不満があった場合、不満を述べてもらいそれを即座に解決することがいかに大切かを次の数値が示している。

【不満が解決されたか否かによる再購入率の違い】
顧客の不満に対する行動
再購入率
 重要な問題がありながら不満を述べなかった顧客の再購入率
9 %
 結果はどうであれ不満を述べた顧客の再購入率
19 %
 不満が解決された顧客の再購入率
54 %
 不満が即座に解決された顧客の再購入率
82 %

 このように苦情を述べることが出来ただけで、再購入率は9%から19%に上がる。苦情が解決されると54%になり、即座に解決されると 
 再購入率はなんと82%にまで上がるのだ。

ウォルグリーンでは 「7つのサービス規範」 を再度徹底して顧客の流出を防いでいる。

7つのサービス規範
ポイント
 1.顧客を待たせない
お客様が必要としている時は、他の仕事をしていても顧客第一を優先させなさい。また、レジにお客様が3人以上並んだときはすぐに新しいレジを開きなさい。
 2.常にスマイルを
お客様がそばにいる時は、いつでもお客さんの目を見て微笑みかけ、フレンドリーな明るい声で「ハロー!」と挨拶しなさい。
 3.顧客満足保証の実施
ウォルグリーンは顧客の満足を保証しています。お買い上げ商品の交換や返品には素早く応対しなさい。顧客の問題は自分の問題として対処しなさい。その問題が解決されるまで、あるいは他の従業員が責任を受け継ぐまでは、絶対に顧客の問題を放り出してはいけません。
 4.感じの良い電話応対
3度ベルが鳴る前に電話を取りなさい。そして明るいはっきりとした言葉で、「ウォルグリーンにお電話を頂きありがとうございます」と挨拶しなさい。次に「自分の名前」を名乗り、「どのようなご用件でしょうか?」と尋ねなさい。顧客には常にはっきりした言葉で話しなさい。もしあなたが顧客の質問に即座に答えられない場合は、折り返しお電話することを顧客に了承してもらいなさい。絶対に顧客を1分以上待たせてはいけません。
 5.身だしなみ
自分の住まいのように店舗を清潔にし、整理整頓を徹底させなさい。服装に関しても同じことです。ネームタッグを所定の場所につけ、髪はきちんとカットし、顧客に不快感を与えないようにしなさい。
 6.挨拶
全ての顧客がウォルグリーンにとって大切な方々であるという態度を、顧客にはっきりわかるように示しなさい。そのためには、顧客の名前と好みを知らなければなりません。顧客が来店した時に挨拶し、お帰りになるときにはお買上げに対して感謝の言葉を述べなさい。そのようにして顧客の再来店を促進しなさい。
 7.感謝・感動作り
多くの顧客を特別なサービスで感動・感激させなさい。そうすれば、あなたは顧客のロイヤリティを獲得できます。


各小売業はシニアのクレームへの対応に非常に神経を使っている。それは、彼らに経済的パワーがあること、ドラッグストアの重要顧客層であること、口コミを良くする人たちであることなどによる。彼らは自分の長い人生経験から、人は誤りを犯すということを十分わかっているが、それを解決しようとする姿勢に疑問を感じたときに憤りを感じやすい。そのためシニアに対するクレームを真剣に対応しないと、大きな問題になりがちだ。シニアに対するクレーム対応には次の5つのステップが取られている。

①謝罪すること
まずは「この度は誠に申し訳ございませんでした」と顧客の受けた痛みを理解して心から謝罪し、自分が責任をもって解決するという気持ちを伝える。つまり、顧客の気持ちを解きほぐすことを第一に考える。

②クレームを理解する
お客は感情的になっているとき、整理して話をするのが難しく本音と異なることを話す場合も少なくない。ここで間違った対応をすると火に油を注ぐ結果になる。そのため、まずはお客様に代わって、問題点が何であるか理解できたことを整理して述べ、お客に確認する。こうした真摯な態
度に対し、お客はあなたが問題を正しく把握し一生懸命解決しようとしていると受け取って良い印象を持つ効果もある。

③お客の立場に立って即座に解決する
クレームの解決策を見つけ出すコツは、お客の立場に立って考えることだ。さらには、即座に解決することだ。対応が遅いとお客様のさらなる怒りを招く。

④クレームを述べてくれたことに感謝する
最後は「誠に申し訳ございませんでした」というお詫びだけで締めくくらず、「この度は私共が気付かなかったことをご指摘いただき、ありがとうございました。またお気づきの点がございましたら、いつでもお申し付けください。今後とも当店をご利用くださいますようお願いいたします。」とお礼の言葉で締めくくるようにする。なぜなら、お客もクレームするには勇気がいるし、決して気分の良いものではないからだ。そんな思いまでして苦情を言ってくれたのだから、必ず謝辞を述べる。
クレームを嫌がらず、店舗に対して改善のヒントを与えてくれたと受け取るようにする。クレーム客一人の後ろには26人同じ不満を持ったサイレントカスタマーがいると言われている。その人たちが無言で店を去る危機から救ってくれたのだと受け止めよう。

⑤フォローアップする
クレーム客には問題解決後に手紙や電話でフォローアップをすることも大切だ。こうしたこまめな行動がお客を感動させ、彼らをロイヤルカスタマーにすることもある。
ちなみにウォルグリーンではクレームをたらい回しにしないように、クレームを受けた人が顧客に答えるようにしている。

    

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