アメリカのドラッグストアを検証し、日本のドラッグストアにあう多彩なプログラムを提案します
Excell-K ドラッグストア研究会

研究会研究会ご案内
研究会研究会ご案内研究会セミナー日程研究会セミナー日程
松村清松村清プロフィール
ご案内 研究会事務局
レポート最新USレポート

PDFファイル

カンターコンサルティングは、2017年〜2022年の米国小売業業態別平均年間成長率でドラッグストアは4.6%の堅調な成長と予測している。一方、アマゾンによるヘルスケア分野への参入がドラッグストア業界に脅威を与えている。オンライン専門調剤薬局ピルパック社を2018年6月に買収したアマゾンは近い将来調剤市場の10%のシェアをとると予測されている。米国人の54%はアマゾンのファーマシービジネスへの参入に賛成している。競争が調剤を主としたヘルスケア商材の価格の低下を生み出す期待からだ。そして消費者はアマゾンにもっと多くのリアル店舗を求めている。それはフェース・ツー・フェースのヘルスケアアドバイスを求めたり、調剤の受け取りがし易くなるからだ。そのため、買収したスーパーマーケットホールフーズマーケットの店内に調剤室を設置することや、ドラッグストアライトエイドの買収が噂されている。一方、ドラッグストア業界は「現状維持は後退なり」精神を発揮して大きく変化しようとしている。変化の試みをウォルグリーンのフロリダ州ゲインズビルの20店舗強で行われているパイロットプログラムで見てみよう。その狙いは、価格・販促・品揃え・サービス戦略で顧客に「快適買い物体験」を提供することだ。


同じような商品が多くて買いにくいという消費者の声に応え、品揃えアイテム数を20%カットする絞り込みを徹底し、15,000アイム程度にしている。顧客はドラッグストアにクイックショッピングを求めており、かつては店内での買い物が10分で終わることが求められたが、現在では7分に縮まっている。また価格が高いという評判を覆すために、ヘルスケア、ビューティーケア、パーソナルケア、グロサリーそして日用品の5000アイテム以上の商品の定番価格の引き下げや、値ごろなPB商品の積極的展開を図っている。


ウォルグリーンの第一世代ロイヤリティプログラムのバランスリワード(2012年導入)は現在89百万人の人がアクティブメンバーとなっており、米国小売業最大のメンバーシップ制度だ。これはポイント対象商品、調剤薬や予防接種に対してポイントが与えるプログラムだ。ウォルグリーンの特徴的なのはヘルスポイントの提供で、ランニング、ウォーキング、体重測定、定期的なヘルス検査をするとポイントが与えられる。
それとは別に新しい第二世代ロイヤリティプログラム「Walgreens Plus」(メンバーフィー年間20ドル)のテストを実施している。これはメンバーフィーを払うことにより、殆どの商品に定番価格より20%のディスカウント、及び現金払いのジェネリックドラッグに対し最大60%のディスカウントが提供される。また「Walgreens Plus」メンバーはwalgreens.comウェブサイトを通して、無料の同日配送を希望することができる。「Walgreens Plus」は単に価格を引き下げるだけでなく、顧客とより深い関係を築きロイヤルカスタマーになってもらうためのプログラムだ。米国をはじめ世界中で人々がより健康で豊かな生活が出来るようにという考えを強化するために、「Walgreens Plus」のメンバーメンバーフィー(Subscription Fee)の一部は、清潔な水を必要としている家族に供給する機関に寄付される。これは社会貢献型プログラムを好むミレニアムの人々を意識しているのだ。顧客を囲い込むのに非常に効果があるアマゾンプライムやコストコの会費制プログラムを見習ったものだ。


ウォルグリーンはスプリント(米国の通信サービスを提供する事業会社)と提携したが、消費者はスプリントの10種類のモバイルフォーンをウォルグリーンの実験店舗で購入出来、スプリントの社員から詳しいプランの説明・紹介を受けられる。スマホなどのITはウォルグリーンのロイヤルカスタマー作り、オムニチャネル化、そして売り上げ向上に大きく貢献している。何しろネットと店舗両方利用のウォルグリーン顧客は、店舗のみの顧客の3倍の売り上げ規模があるという。両方活用の顧客を増加させるために、出来るだけ多くの顧客にIT機器を持ってもらい、ウォルグリーンアプリを大いに活用してもらうことが今後の成長のための必須条件になっているからだ。またFedEx(宅急便会社)との取り組みも強化し、顧客はウォルグリーンの7500店舗にあるFedExのカウンターで、パッケージをピックアップ及びドロップオフすることが可能で便利性を強化している。


今後のファーマシーは単に薬を渡す場所ではなく、ヘルスケアのワンストップショッピングが出来るように、予防・検査・診断・治療、投薬を実行する場になる。そのため調剤室・クリニック・検査ラボ機能・点滴供給機能・酸素ボンベ供給機能・スペシャリティファーマシー(ガン・HIV・臓器移植等特殊な病気専用のファーマシー)・予防接種及びオプティカルケア、ヒアリングケア機能の導入を進めている。予防接種に関してウォルグリーンは全米で最大の実施者だ。


アマゾンのビューティー商品の売り上げが2017年に43%も増加したことからも分かるように、ドラッグストアの化粧品の売り上げはアマゾンをはじめとするEコマースに奪われている。特に若い女性はアマゾンで購入し、ドラッグストアでの購入が少なくなっている。そこでウォルグリーンは「ビューティー・ディファレンシエーション・コンセプト」というビューティーを強化した売り場コンセプトを導入した。これは新しい体験とストレスフリーのビューティーケアショッピング体験の提供を目的としているが、そのポイントについて述べてみよう。

a)百貨店のような専門的で魅力的な売り場
今までの古臭い化粧品コーナーから脱却し、モダンでゴージャスな雰囲気の売り場を作ることにより、来店する喜び与えられるような努力をしている

b)幅広い品揃え

イ)大手化粧品メーカーの売り場縮小と、特徴ある中小化粧品メーカーの商品強化
若い層の化粧品客を増加するため、伝統的な巨大一般化粧品ブランド(Revlon、CoverGirl、Almay等)の陳列スペースシェアを5割程度に落とし、特徴のある新興勢力ブランド商品(例:NYX, elf, Milani, LA Girl, Pacifica等)のスペースを広げた。
ロ)グリーンビューティー化粧品はトレンドでなく必要不可欠品揃え商品に
オーガニックやナチュラル成分で製造された化粧品つまりグリーンビューティー市場は二桁成長をしており、品揃えとして必要不可欠の商材になった。そのためBurt’s Beatsに代表されるそれらの商品に3尺ゴンドラ5本程度与えている。
ハ)PBビューティーケア商品の強化
ウォルグリーンはPBコスメを強化しているが、No.7、Soup&Glory, CYO等が品揃えされ非常に評判が良い。

c)テスターの設置

リアル店舗に来る理由の第一は商品を見て・触って・香りを嗅いて確かめることだが、テスター設置の強化によりその機能を強化している。

d)カウンセリングの強化

各店のビューティーコンサルタントは、各エリアに配属されている70名強のビューティーエキスパートから「Match Made Device」という機器を使ったスキンケア、ヘアケア、そしてファウンデーションのマッチングトレーニングを受け、押し付けない顧客目線でのカウンセリングを実施している。

e)ウォルグリーンのビューティーケアロイヤルティプログラム

2016年10月に「Beauty Enthusiast Club」というロイヤリティプログラムをスタートし、すでに1千万人近いメンバーを集めている。メンバーは特別ディスカウントは勿論メールでのカウンセリングを受けられる。

 ページの先頭へ

Copyright (C) Drugstore-Kenkyukai. . All Rights Reserved.