アメリカのドラッグストアを検証し、日本のドラッグストアにあう多彩なプログラムを提案します
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前月号で述べた通り、米国のドラッグストアと比較して日本のドラッグストアは坪当たり売上げが半分以下である。今月もその要因を商品構成の観点から探ってみよう。


a)ファーストエイド
日米ともに医療費の高騰抑制から入院期間が短縮化されてきている。米国では平均入院日数が4.5日だが、日本では30日近くで、これを2週間に持ってもっていくよう努めている。そのため、医療用包帯・ガーゼ・絆創膏・介護・看護関連などの商材が一般市場で求められ市場が徐々に拡大している。米国では1980年代から病院用商材がドラッグストアなどの一般市場で売れ始め、今ではドラッグストアで積極的に品揃えされている。日本でも入院期間の短縮により、一般市場で病院用症材の需要があるが、残念ながらドラッグストアで扱っていないため消費者がメーカーから直接購入したり、ネットで購入している。

b)フットケア
シニアは歩かないことから足の筋肉が弱って転倒して骨折し、寝たきりに繋がっていく。またお尻の筋肉は記憶の脳とも密接な関係があり、歩くことはボケ防止に役立つ。しかし足首や膝が痛いということで歩くことをやめる人が多いが、正しい歩き方をするだけで多くの悩みが解決するという。今更正しい歩き方を身に着けるのは難しい。そこで役に立つのがインソール(中敷き)だ。適切な中敷きを靴の中に敷くだけで正しい歩き方出来、痛みから解消されて歩くことが促進される。その他多くのフットケア商材があるが、某メーカーの試算によるとフットケア市場は現在の340億円市場から1300億円市場へ成長する可能性があると言われている。

c)オーラルケア
ドライマウスはシニア及び抗生物質を服用している人やストレスの多い生活をしている人に起きがちな症状だ。70歳以上の人の死因の第一位は肺炎で、それも誤嚥性肺炎が主な要因だ。このマーケットの拡大に活用されたのがマルチジェネレーションマーケティングだ。単に主ターゲットのシニアに訴求するだけでなく、シニアの親に対して影響力を持つ娘や息子に訴求した。「あなたの大事なシニアの両親の死因のトップは肺炎です。肺炎の原因は誤嚥性肺炎で、口の中の雑菌が肺に行くことにより起きます。これを防ぐために、口の中の殺菌作用を高める唾液の出を良くして(シニアになると唾液の出が悪くなり、ドライマウスになりがち)口の中を常に清潔に保って、ドライマウスを解消しましょう」と働きかけた結果この市場が拡大した。今ではドライマウスコーナーが出来上がっているほどだ。

d)イアケアコーナー
人間の五感の一つが聴覚だ。その聴覚をケアする売り場が日本にはない。米国ではイアケアコーナーはアイケアの隣に独立した売り場として確立されている。耳クリーン用品、耳栓(防音用・水泳用など)、耳鳴り用商品、補聴器、補聴器用バッテリー等で構成されている。補聴器用バッテリーは利益の取れる商品ということで、バッテリーコーナー、イアケアコーナーそして調剤室カウンターに陳列されている。

e)アイケア
CVSヘルスのマンハッタンの店では眼科医を配置し、検眼やメガネ・コンタクト販売の取り組みを始めた。またウォルグリーンと合併したブーツでは長年眼鏡販売を70店舗程度で展開しているが、単なるアイケア商品の販売だけでなくアイケアソリューションを目指している。

f)介護・看護用品(ホームヘルスケアコーナー)
1990年代まで米国のドラッグストアは介護コーナーをシニアケアコーナーと呼び、介護専門の売り場を作っていた。それだと介護を必要とする人しか売り場に行かず、売り場は死んでいた。何しろ介護を必要とする人は来店客の5%の人しかいない。そこで誰でもが売り場に来られるように、コンセプトを介護&看護売り場にし、売り場名をホームヘルスケアにした。そして紙おむつ、バスケア、杖などの介護商品やサポーター、ヘルスチェックキット、ファーストエイド、サポーターなどを品揃えしたところ、若い人も入ってくるようになり売り場生産性が上がった。

g)ウイメンズヘルス
医療や薬は男性を中心に開発・進歩をしてきたとウォルグリーンの幹部から聞いたことがある。女性の体は男性と違うため、ウィメンズヘルスという売り場を作り、女性の健康増進に努めている。更年期障害、骨粗鬆、生理関連商品等々の商品を中心に売り場作りをしている。

h)セックスエンジョイメント
シニア年代になっても夫婦円満のためにセックスをお互いにエンジョイしようということで、ネットや専門ショップでしか販売していないようなセックス関連の商品を販売している。

i)スリープエイド
シニアは寝つきが悪くなったり、深い眠りが出来なくなったりと睡眠に問題を持つが、睡眠薬を常用しないで済むような品揃えをしている...

j)ペインマネージメント
腰痛、病からくる痛み等高齢者は色々な情報痛みを抱えるようになるが、それらに対応する売り場が設けられている。


米国のドラッグストアは化粧品コーナーを「差別化の武器」そして「売り場の華」という位置づけで、再度強化している。そして顧客の立場に立ったカウンセリング、商品の試用、マニュキュア、アイブローやメイクアップの有料サービスを展開している。

a)特徴のある中小メーカー商品の積極的な取り扱い
商品の流れでは、一般化粧品超大手メーカーレブロン、マックスファクターやカバーガール等の陳列スペースを化粧品売り場の50%程度に縮小し、特徴のある中小メーカー(NYX、LA girls)やPB商品(No.7やSoap&Glory)の展開を強化している。若い人々が超大手の商品は自分の母親やおばあちゃんが使うブランドだと感じてドラッグストアで化粧品を買わなくなってきているからだ。そこで若い女性獲得のために、若い女性向けの特徴のある手頃価格商品を取り扱うようになっている。

b)高額ラインの化粧品の取り扱い
衰退する百貨店から離れた顧客の獲得のために、高級化粧品にも力を入れている。特にアンチエイジング化粧品はドラッグストアの対象顧客にはまっており、アンチエイジング化粧品の売り上げの6割近くはドラッグストアがシェアを持っている。

c)グリーンビューティーの活躍
「Burts Beats」に代表されるオーガニックやナチュラル成分で製造されたビューティーケア商品の人気が高く、これらの商品をグリーンビューティーと呼んでいる。この商品は化粧品市場の14%程度のシェアを持つという成長ぶりで、ドラッグストアでは3尺ゴンドラ4〜5本の展開をしている。グリーンビューティーと呼ばれるナチュラル・オーガニック成分を主体にした化粧品の取り扱いが積極的だ。かつては売り場にわずかしか陳列されていなかったが、現在では3尺ゴンドラ4〜5本とり、売り上げの14%を占めるようになっている。

d)キッズ化粧品の売り場作り
面白いのは、ドラッグストアによってはキッズ化粧品コーナーを作っている。そしてキッズクラブを持ち、子供の時の化粧の仕方を教えている。小さいときに良い印象を持つと、大人になってもその印象を持ち続け、お店や商品を使ってもらえるという人間の心理を活用したまさに生涯客づくりのマーケティングだ。夏休みになると、子供にマニュキュアを施して大変喜ばれている。子供は母親と来店するので、利点促進にも役立っている。

e)拡大する男性化粧品コーナー
男性の身だしなみ志向が高まり、メンズ化粧品も力を入れている。その傾向は若者にも広まり、7歳〜16歳の少年の69%は毎日ビューティーケアをしている。かつてはヘアケア、スキンケア、フレグランス、シェービング関連商材しかなかったが、最近ではメイクアップ、髭関連商品、シートマスクなどが売り場に並んでいる。LGBTの人たちは、ビューティーケアに関心が高い上に価格志向は無いため、ドラッグストアは彼らの確保に躍起になっている。LGBTの人々へのマーケティングとして、彼らのシンボルカラーである虹色のスティッカーや旗などを店頭に置くことにより、その人たちを歓迎しているというサインを発信している。米国では6月がその人たちのPride Monthということで、多くの小売業でレインボーカラーを活用して来店を歓迎している。



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