アメリカのドラッグストアを検証し、日本のドラッグストアにあう多彩なプログラムを提案します
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JACDSによると、日本のドラッグストア市場は2017年の6.9兆円市場(19,534店舗)から将来10兆円以上(30,000店舗)の市場へ拡大すると予測している。そのため多くのドラッグストアは店舗数拡大に努めており、小売業界の中でも一番勢いのある業態になっている。その勢いのある日本のドラッグストアは、米国のドラッグストアと比較すると売り場生産性で低く、成長の余地が大いにある。現在の日本のドラッグストアは店舗数を増やすことで売上げ拡大を狙っているが、米国ではすでにオーバーストアになっており、店舗数の伸びはほとんどなく、既存店舗の充実に努めている。日本のドラッグストアもいずれ既存店舗で売上げ拡大をすることが必須になってくる。そのためには下記の表の通り日本のドラッグストアの売場生産性(坪当たり売上高)は、米国の半分以下であるということを認識する必要がある。
【ドラッグストア売り場生産性(坪当たり年間売上)比較】
 売り場生産性
日本
米国
 坪当たり年間売り上げ
193万円
416万円
資料:(日本)HCI2017年(米国)チェーンドラッグレビュー2017年

営業時間の長さ等いろいろな要因があるだろうが、商品構成の観点から違いの要因を探ることが生産性向上の一助になるだろう。

日本のドラッグストアの調剤薬市場は、高齢社会の促進による調剤薬全体市場の拡大と、ドラッグストアのシェア拡大により大きく成長するだろう。米国では調剤薬の無いドラッグストアは無く、ドラッグストアの看板及び信頼になっている。現在日本のドラッグストアの調剤薬は10%強の売上げ構成比だが、米国のドラッグストアでは売上げ構成比は70%強を占めている(少し調剤へ偏りすぎと筆者は考える)。日本も今後ドラッグストアにおける調剤薬部門の売り上げ構成比は50%近いものになるだろう。そのため調剤部門を強化しないドラッグストアの成長性はおぼつかない。但し、米国では調剤薬の利益率はかつての35%から23%程度に落ちている。日本も薬価改正のたびに利益率が低下しているが、今後25%の利益率でも経営していけるようにしなければならない。ドラッグストアの調剤薬の売り上げ拡大の要因は下記だ。

a)日本の調剤薬市場全体が現在の8兆円市場から10兆円市場へ拡大
日本は高齢化が進んでおり、65歳以上の人々は現在の27%の35百万人から2050年には39%の38百万人になっていく。年間薬局調剤医療費(平成27年)は、65歳以下の人々は36千円だが、65歳以上の人々は約4倍の138千円だ。つまり65歳以上のシニアの増加は調剤薬局市場の拡大につながるのだ。

b)調剤薬市場のシェア拡大
日本のドラッグストアは現在調剤薬市場の7%程度の市場シェアだが、米国では約65%で調剤薬市場の圧倒的リーダーだ。日本では利益率の低下や後継者問題で調剤薬局は不振を続けている。いずれ店舗売却や閉店により調剤薬売上げがドラッグストアチェーンに流れ、調剤薬市場の50%のシェアをドラッグストアが確保する時代が来る。

c)調剤併設率の拡大
併設率は現在40%弱だが、いずれ米国のように多くのドラッグストアも調剤部門を持つことが必須の時代になる。

d)リフィル制度
45兆円弱の医療費もこのままいけば65兆円になり、国家財政をさらに圧迫することは間違いない。医療費を抑制するため、リフィル制度がいずれ導入されると予測するが、その場合面分業をしているドラッグストアに調剤が集まってくるだろう。

e)ペット調剤薬の取り扱い
高齢社会では孤独を癒してくれる重要なペット。その大切なペットの調剤薬の取り扱いが米国同様現実化していくだろう

f)ヘルスチェックキット/クリニック
日本と米国の大きな違いとして、資格を取った薬剤師が予防接種やヘルスチェックそしてヘルスケアコンサルテーション等軽医療の分野に進出していることだ(州の法律により異なるが)。
また店舗によっては、ヘルスクリニックをドラッグストア店舗の中に設置し、上級看護士などが患者のケアや処方箋を書き、隣の調剤室で薬を出すというヘルスケアのワンストップショッピングを提供している。


OTC市場の全医薬品に占めるシェアは、米国が約20%、フランス25%、英国30%だが、日本は10%弱でOTC後進国だ。これも国民皆保険の結果、軽い病気でも保険を使い病院やクリニックに行くという習慣がついてしまったからだ。しかし45兆円に近づく日本の医療費高騰抑制のために、セルフメディケーション (「自分自身の健康に責任をもち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」(WHO(世界保健機構))の促進はOTC薬市場に追い風だ。実際に日本でもアクションが取られているスイッチOTC化の拡大、セルフメディケーション税制による医療費控除、そして風邪など軽医療の自己負担増額などにより、成長が低かったOTC市場も拡大していくだろう。調剤薬市場の拡大及びスイッチOTCの促進は、米国のように薬害が顕在化する可能性がある。米国人の死亡原因の第4位になんと薬がある。米国ではOTCは他の一般消費財と同様、薬剤師がいなくてもどの業態も販売することができるが、薬剤師に相談しながら購入をする人が増えている。そのため薬剤師のいないスーパーやコンビニ業態でのOTC販売は不振である。また薬害の増加は、代替医療(オールタナティブメディシン)に対する関心を高めた。米国ではビタミンバイブルという著書が発行された1970年代からビタミンブームが起き、今ではドラグストアのOTC&ヘルスケア部門でビタミン、ミネラル、サプリが風邪薬などの一般薬を差し置いて売上げ第一位だ。日本でも今後漢方薬などの代替医療が増加するだろう。現に医療用漢方薬は2007年の1000億市場から2017年には1500億円市場へ50%も成長している。高齢化で根本的に身体を健康にしたいという人々のニーズと、西洋薬一辺倒だった医師も漢方薬を処方するようになったからだ。この流れは必ずや一般用漢方薬のニーズを高めるだろう。漢方薬専門コーナーを創設し、缶セリング力を高めた展開は他チェーンとの差別化になるだろう。
米国では高齢社会を反映して、シニアに焦点を当てた消費者目線のOTC売場作り成功している。特に関節/フットケア、記憶、アイケア、イヤケア、オーラルケア、アンチエイジング、ウィメンズヘルス、メンタルヘルス、スリープエイド、ペインマネージメント、アレルギー、セックスウェルネス、糖尿病関連等がコーナー化し販売が拡大している。また子供用のお薬コーナーも作られ、母親に買いやすいと大評判だ。


米国では「病気にならない身体作りを自己責任でする」セルフメディケーションの時代だ。そのためビタミン、ミネラル、ハーブ、健康食品そして最近ではホメヲパシー(今から200年前にドイツで確立させた自己治癒力を使う同種療法)等代替医療関連の市場が拡大している。日本ではダイレクトマーケティングが健康食品市場の7割以上を占めているが、米国では現在7割が店舗で販売されている。今後日本では健康食品市場の拡大と店舗販売の拡大が期待されている。有望なカテゴリーとして低栄養改善マーケットがあるが、現在の20億円程度の市場が50倍市場に拡大することが予測される。太り過ぎが話題になるが、高齢社会では低栄養によるやせ過ぎが問題になってくる。食べる量や咀嚼力の低下によりバランスよく栄養分がとれず、やせて筋力が衰えて転倒、寝たきり、ボケという流れなってくる。それを防止するために低栄養改善マーケットが米国では大きく伸びている。またダイエット中の人や忙しくてきちんとした食事の出来ない通常の人にも良く利用され、市場が大きくなった。またシニアが元気な生活を送るためには筋肉の保持が必要で、プロテインなどの貯筋市場が拡大するだろう。認知症予防も有望視されている。


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