アメリカのドラッグストアを検証し、日本のドラッグストアにあう多彩なプログラムを提案します
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トランプ政権の誕生から1年以上経過する米国は、法人税の減税、規制緩和、インフラ投資、防衛費増額、自国第一主義等による景気への期待から、経済に対するマインドは強気なものが多く、2018年に入ってもその傾向は続いている。今後も政権幹部の辞任による政府内の混乱、保護貿易主義による貿易戦争や金利の上昇、シリアや北朝鮮など地政学上の問題等不安要素も強いが、経済の専門家は3.9%程度という完全雇用に近い低失業率、個人消費支出成長率が2.8%という強い消費性向、好調な住宅市場などによりGDPは2.5%の堅実な成長をすると予測している。
項目
2017年
2018年(予測)
2019年(予測)
 実質GDP成長率
2.5%
2.5%
2.1%
 失業率
4.1%
3.9%
3.9%
 個人消費支出成長率
2.7%
2.8%
2.8%
(資料)Chain Drug Review 2018年4月号


一方、今後のドラッグストア業界をみてみると、オバマケアに対するトランプ政権による何らかの修正、Eコマースの成長によるリアル店舗のドラッグストアに対する来店頻度下落、アマゾンの調剤への参入等と課題が多い。
2016年度の北米(米国及びカナダ)のドラッグストア業態は2016年比2.7%の成長を遂げた。その内チェーンドラッグは2.8%成長したが、独立ドラッグ(10店舗以下のドラッグ企業)は2.2%に留まった。チェーンドラッグの既存店成長率はこの数年で最低を記録し1.6%であった。過去を振り返ると、2007年既存店は5.6%、トータル店舗は7.7%成長したが、近年のネットの成長はリアル店舗の成長にダメージを与えている。
売上げ構成比でみると、チェーンドラッグが76%、独立ドラッグが24%だ。21世紀には生き残れないと言われていた独立ドラッグの健闘は見事で、高い顧客満足度に支えられている。特に調剤において消費者の満足度評価が一番高いのが独立ドラッグで、家族全員の健康状態を把握している専門性、待たせない調剤、大手ドラッグでは在庫しない調剤薬の品揃え、なじみの薬剤師(大手は転勤で始終変わる)、近隣の医師を定期的に訪問することによる必要な薬の情報と在庫、マッケソンなど大手薬卸による経営サポートなどが功を奏している。また大手ドラッグが力を入れにくいホームヘルスケア(介護・看護用品)を強化しているのも大手との大きな差別化になっている。
ドラッグストアトータルの店舗数は46,356店舗で、2016年より171店舗も減少した。チェーンドラッグは100店舗の減少、独立ドラッグが71店舗減少した。店舗数構成比では、チェーンドラッグが58%、独立ドラッグが42%だ。店舗数の伸びが小さかったのは大手チェーンドラッグがオーバーストアの状態にあること、既存店重視政策を打ち出していること、そして独立ドラッグが不採算店を積極的に閉店したこと等によるものだ。7〜8年前まで大手ドラッグストアは出店競争をし、ウォルグリーンは年間450店舗近く新店をオープンしていたことを思うと隔世の感がある。
ドラッグストアの平均売り場面積は300坪で前年より1坪大きくなった。日本のドラッグストアと坪当たり売り場生産性を見てみると、米国のドラッグストアは年間400万円以上の売り上げをあげているが、日本はその半分弱の売り上げしかあげていない。これは65%の構成比を占める調剤薬の売上げ(日本は10%程度)、OTC医薬品の売り上げ、食品の強化による売上拡大、長時間営業、サービス機能の強化(クリニックの導入、予防接種・ヘルスチェック、イートイン、宅急便取り扱い等)が大きな要因だ。逆を言うと、日本もドラッグストア市場が拡大するチャンスは大で、調剤、OTC医薬品、食品及びサービス機能の更なる強化が必要だ。
目立った動きとしては、米国のドラッグストア業界は合併による規模拡大がメインテーマだったが、最終局面に入っており、全米第3位のドラッグストア・ライトエイドの半分の店が昨年ウォルグリーンに買収され、残りの半分はスーパーマーケット・アルバートソンに買収された。ウォルグリーンは来店した顧客がクイックショッピングを出来るように、大型店ではヘルスアンバサダーを配置して顧客の手助けをしている。CVSはたばこの取り扱いを止め、健康を意識したBetter for Youフード(グルテンフリー、ラクトフリー、非遺伝子組み換え、低塩分、オーガニック食品等)に力を入れており、Grab-and-Goと呼ばれる即食(サンドイッチ、惣菜、カット野菜・果物等)を中心にした食品売り場は、ヘルスへのこだわりにより消費者の支持を得ている。その他ビジネスでみると、CVSがリテールクリニックを1134ケ所展開して全米No.1 である。また今後の成長性が非常に高いと予測されているスペシャリティファーマシー機能も23ケ所設けているのが興味深い。大手ドラッグストアには顧客がネットで注文して店舗に取りに来るクリック&コレクト機能があり消費者に便利がられている。ドラッグストアがオムニチャネル対応をするのは、店舗のみ利用する顧客より、店舗とネットの両方を利用する顧客の方が3〜5倍の顧客価値があることを分かっているからだ。
【2017年度北米(米国&カナダ)ドラッグストア業界】
項目
実績
vs. 2016
構成比(%)
 チェーンドラッグ売上
3,159億ドル
+2.8%
75.9
 独立ドラッグ売上
1,003億ドル
+2.2%
24.1
 ドラッグストアトータル売上
4,162億ドル
+2.7%
100.0
 チェーンドラッグ店舗当たり売上
11.4百万ドル
+0.1百万ドル
-
 チェーンドラッグ売上/坪
39,060ドル
+1188ドル
-
 チェーンドラッグ既存店売上伸長率
+1.6%
+0.1%ポイント
-
 チェーンドラッグ税引き後純利益率
1.5%
同じ
-
 チェーンドラッグ店舗数
26,979店舗
▲100店舗
58.4
 独立ドラッグ店舗数
19,377店舗
▲71店舗
41.2
 ドラッグストアトータル店舗数
46,356店舗
▲171店舗
100.0
 チェーンドラッグ平均店舗売場サイズ
300坪
+1坪
-
(資料) Chain Drug Review 2018年4月号

北米ドラッグストア企業ランキングを見てみると、ウォルグリーンとCVSが圧倒的な強さで、両社とも800億j企業だ。第3位がライトエイドだが、約半分の店舗をウォルグリーンに売却したので、売り上げは158億jへ下がった。このトップ3と多くの小規模ドラッグストアで構成されているのが米国ドラッグストアの現状だ。
第4位のGood Neighborと第5位のHealth Martは、米国医薬品卸No.3のアメリソースバーゲンとNo.1のマッケソン小規模ドラッグストア&ファーマシーを組織化している。そして色々な経営サポートをしており、加入しているドラッグストアやファーマシーは顧客への販売・サービスに専念できるようになっている。ディプロマット・スペシャリティ・ファームは特殊な病気(がん・エイズ・臓器移植・小人症・不妊症等)の患者用の調剤薬やOTCの提供と生活習慣のカウンセリングを行っている。19位のBartell Drug はワシントン州に主に出店しているが、地産地消をモットーに地元商品を大切にし大手ナショナルチェーンと差別化をしている。
第28位のHy-Veeは トータルウエルネス」を展開しており、店内に薬剤師、栄養士、ヘルスコンシェルジェ、シェフ、そしてインストアクリニックの看護師を配置し、全員で顧客の問題解決に努めている。第34位のPharmacaは高所得地域に出店している。調剤やOTCも提供するが、特徴はオルターナティブメディシンで、ナチュラルなビタミン、ミネラル、ハーブに力を入れ、ヨガ、笑い、座禅教室などを提供してLOHAS志向の消費者から強い支持を得ている。品揃えされているビューティケア商品もグリーンビューティーと呼ばれるナチュラルやオーガニックの素材で作られた商品だ。


【トップ20ドラッグストア】
チェーンストア
売上金額
(億ドル)
前年比
(%)
店舗数
前年比
 1) Walgreens
873.0
+4.2
8,100
▲75
 2) CVS Health
794.0
▲2.1
9,803
+94
 3) Rite Aid
158.3
▲5.6
2,549
▲1987
 4)Good Neighbor Pharmacies
142.6
+8.9
4,066
+98
 5) Health Mart
124.0
+5.1
4,916
+82
 6) Shoppers Drug Mart(Canada)
99.7
+3.0
1,334
+8
 7) McKesson Canada(Canada)
76.9
+9.4
2,500
+330
 8) Diplomat Specialty Pharm.
44.8
+1.9
29
+12
 9) Jean Coutu(Canada)
35.4
▲1.2
418
+1
10)London Drug(Canada)
21.8
+3.1
80
+2
11) Fred’s Pharmacy
20.6
▲3.3
362
0
12) Medicine Shoppe
17.0
▲0.6
510
▲11
13) Genoa
15.0
+25.0
396
+24
14) Marc Glassman
15.0
+6.4
58
NC
15) Pharmasave(Canada)
11.4
+4.7
650
+50
16) Kinney Drugs
8.7
+3.1
100
NC
17)Discount Drug Mart
7.0
+2.2
73
NC
18) Care Pharmacies
6.6
▲4.4
78
+2
19) Bartell Drugs
4.7
+2.9
68
+3
20) Thrifty White Stores
4.3
+5.0
95
+1
28)Hy-Vee
2.3
+1.3
17
0
34) Pharmaca
1.5
+7.1
30
+1
 (資料) Chain Drug Review 2018年4月号


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