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ウォルマートの創業者サムウォルトンは「ビジネスの利益は安売りや高いコストで行われた広告につられてきた
ワンタイムバイヤーからでなく、満足したリピート客からくるものである。こういう顧客がウォルマートにとって一番大切な人たちである」と述べていた。これを実現するために小売業は下記のようなプログラムを現場で行っている。

1.有料メンバーシップ制による固定化
ホールセールクラブのコストコでは年会費として5000円弱(税込み)メンバーから徴収している。アマゾンフプライムも年会費(税込み4000円弱)を徴収している。米国のコストコは、リアル店舗の中ではウォルマートに次いで第二位の小売業にまで成長した成功小売業だ。アマゾンはウォルマートに次ぐ世界第二位の小売業だ。顧客の立場になると、会費を払った以上その分を取り戻したいという気持ちになる。そのため買い物は出来るだけ、コストコやアマゾンになるのだ。有料メンバーシップ制が顧客の固定化そしてビジネスの成功に導いている。

2.ヘルシーライフをテーマに顧客の固定化
誰にとっても一番欲しいものはお金や宝石でなく「健康」だ。特に高齢社会になるほどその傾向は顕著となり、健康をテーマに固定客化を図るケースが増えている。

a)健康作りを販促に活用して顧客の固定化を図るドラッグストア
ウォルグリーンではウォーキングや定期的な運動を実施することによりポイントを提供している。顧客は今月何マイル歩くと宣言し、ウォルグリーンに登録する。宣言した人はウエアラブル機器を身に着け、実際に歩いた距離がウォルグリーンの本部に電波で送られる。そして目標のマイルを達成するとポイントが与えられる。またジムに定期的に通う人にもポイントが提供される。このようにウォーキングやジムに通う人は健康志向になり、ビタミンやヘルシーフードの買い上げが高くなるので、ポイントを提供しても十分ペイするとのことだ。

b)ホールフーズマーケットのダイエットプログラム

米国人成人の6割以上は肥満体である。そのためダイエットに挑戦はするが、多くの人は途中で挫折してしまう。そこでホールフーズマーケットでは、管理栄養士などの栄養士がヘルプする「ホールフーズマーケットの28日間カスタマーチャレンジプログラム」を提供している。30ドルの参加費を支払い、28日間で体重を落として病気になるリスクを下げる下記のプログラム(概要)だ。顧客は毎週店の専門家と会い、進捗状況を確認できるので達成できる公算が上がるし、店にとっては固定客化につながる。

 第一週の月曜日
 管理栄養士などの専門家と店内を歩き、ラベルに表示されている栄養成分を理解する
 第二週の月曜日
 映画を見て健康に良い食べ方を学習する
 第三週の月曜日
 オイルを使用しない料理方法、緑の野菜を上手に取り入れる方法、多忙な日々の生活でも身体に
 良い食事計画の立て方学習する
 第四週の月曜日
 ヘルシーフードによる卒業ディナー

3.ユニークなロイヤリティプログラム
ロイヤリティメンバーの減少により、かつてほど効果が見込めなくなっているが、それでも固定客化の
ためにロイヤリティプログラムが多くの小売業で活用されている。

a)全米No.3ドラッグストアのライトエイド
この企業はメンバーに次のようなユニークなロイヤルティキャンペーンを実施している。
1月〜12月の1年間にたまったポイントが対象。
・メンバーは調剤薬以外の商品の購入に対し1ドルにつき1ポイント、調剤薬購入ごとに25ポイント取得
・125ポイント以上たまった場合は、一回に限り全購入金額の10%のディスカウント
・500ポイント以上たまった場合は、常時調剤薬以外が10%ディスカウント
・500ポイントたまるとで血糖値やコレステロールなどの検査が無料

4.サブスクリプションプログラム
定期的に消費する商品に対し毎月または2カ月に1回継続して商品を購入することを約束すると、通常価格より安く商品を手に入れられるプログラム。顧客にとっては定期的に商品が送られてくるので買い忘れがないこと、安く購入できること、また小売店やメーカーにとっては顧客の固定化に効果があるウイン・ウインプログラムだ。ドラッグストアのウォルグリーンでは、ビタミンやミネラル等米国人が毎日服用する商材に関して、定期購買プログラムを提供している。第二位のドラッグストアCVSヘルスでは、ひげ剃りの替え刃の定期購買プログラム(シェーブクラブ)を提供し、毎月または2カ月に1回替え刃セットを顧客へ送付している。

5.クーポン販促
米国ではクーポンによる販促の人気が高い。1999年に46億枚でピークを打ちその後減少していったが、ここにきて再度クーポン販促は増加している。ある調査によると、90%の消費者は年間50億ドル弱の節約につなげている。そのため小売業の97%の企業がクーポン販促を実施している。クーポン販促には @チラシに印刷された1週間有効期間のあるクーポン A陳列された商品の前にクーポン器具を付け発券されるクーポン B150以上のもろもろクーポンを集めたクーポンブック(1カ月間の有効期間があり、対象商品の領収書とクーポンをまとめて清算会社に送付すると、合計金額のチェックが顧客に送付されてくるシステム)の3種類がある。

B.ターゲット客別固定化戦略

1.子供を活用した顧客の固定化
子供は下記の「3つの力」を持っているといわれているが、その力を活用して固定客化につなげている。
@Present Value(現在価値)
両親/祖父母/おじさん・おばさんの6人からお小遣いをもらうので6つのポケットを持っていると言われ、結構なお金を持っている。欲しいものを買える経済力があり、望む商品を購入するので利益客である。
AFuture Value(将来価値)
感受性の豊かな小さいときにお店や商品で良い思いをすると、大人になってもそれらのお店や商品に良いイメージを持ち使い続ける傾向が強いため、「生涯客づくり」という観点から子供を大切にしている。多くの小売業やショッピングセンターがキッズクラブを展開し、キッズ化粧(ウォルグリーン)、
キッズ料理教室(ウエグマンスーパー)、キッズ工作教室(ホームデポ)やキッズの健康的な夏休みの送り方(ウォルグリーン)などを子供に優しい社員を配置して実施している。「子供学習・稽古センター」を開催するショッピングセンター(サウスベイガレリア)も増加している。米国デニーズでは、キッズは火曜日午後4時〜10時無料キャンペーンを実施している。
BInfluence Value(影響力価値)
「Mothers Follow Kids(母親は子供の後をついていく)」という言葉通り、キッズは親の買い物に対して大きな影響力を持つ。子供の意見に従って親が店を選択する傾向が強いからだ。そのため、ミニ動物園(スチューレオナードスーパー)、子供に好かれるショッピングカート(ウエグマンスーパー)、夏休み映画大会(ウエグマンスーパー)等が実施されている。東海岸の優秀ローカルスーパーウエグマンでは、子供の食育教育として毎週土曜日12時にキッズ・イン・キッチン、毎週金曜日13時30分〜14時30分にティーンクッキングクラスを実施している。

2.ティーンズ客の固定化
米国の小売業にとってティーンズ客はホットな顧客層だ。彼らは買い物を友達と楽しく時を過ごす機会と捉えている。彼らを固定客化するためには第一に「楽しい買い物が出来る店」を作ること。そのためにビビッドな色使いのインテリア、明るいライティング、アップテンポのBGM、流行の品揃え、賑やかな販促やイベントが欠かせない。反面、モノやコトに敏感な彼らは流行を作りだすのも早いが飽きるのも早いので、彼らの感性や興味をキャッチしていないと簡単に捨てられてしまうことの覚悟が必要だ。

3.シニア客の固定化
米国の多くの小売業が週に一回又は月に一回シニアデーを設けて、シニアの顧客の固定化を図っている。それはシニアが「なじみの店」を好み、気に入れば固定客になる確率が高いからだ。日本でも年金支給日や各月15日及びその前後の日をシニアでーにしてシニアに特典を与え、彼らの固定客化を図っている。ウォルマートは店舗によって水曜日の午前中にコーヒーとドーナツをシニアに提供し、
シニアのお茶会を行っている。ウォルグリーンなどのドラッグストアやオフプライスストアのロスストアでは、シニアデー割引販促を展開。また拡大鏡、呼び出しボタン、椅子の設置、トイレの整備が増えている。シニアの顧客を増やすために、ウォルマートやウォルグリーンではシニア客が来店して違和感がないよう、シニアの従業員を積極的に配置している。

4.外国人
外国人客は「旅行客」と「在住客」に分かれる。旅行客の場合は旅行中必要な商品とお土産が主体になってくる。在住客は国ごとにまとまって住む傾向が強いため、小売業は商圏客を十分把握し、対応する必要がある。国によって食生活や生活習慣が異なるので、適切な品揃えが重要になる。
ドラッグストア・ウォルグリーンでは14ヶ国語に対応できるカウンセリングを実施(常時それぞれの言葉を話せる薬剤師を3人配置して電話で対応)、全品揃えの25%は店舗権限で実施が可能、また
チラシやPOPは商圏にラテン系の人が多ければラテン語と英語の両方が印刷されている。

5.増加する男性客
男性が日常品の買い物へ行く行為は今や一般的傾向になっている。そのため小売業も男性客に対する対応が必要になっている。男性客の固定客化のためにスーパーマーケット・セーフウエイでは下記を大切にしている。
・短時間ショッピングを好むので、分かりやすい売り場/サイン/POPの重要性
・価格より価値を重視するため、価値を訴求するPOPや接客の実施
・よく知られた商品を選択する傾向が強いため、NB商品の充実と「コマーシャル放映中」等の
POPが効果的
・試着・試食の後の購買率が高いので、彼らに積極的にさせる
6.LGBT客の固定化
多様性の時代LGBT(レズ・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダ)は小売業にとって非常に大切な顧客層になっている。この人たちの市場は「レインボー市場」と呼ばれ、1ドル100円換算で、80兆円市場だ。彼らは可処分所得が高いので、価格より価値を求め、消費に積極的だ。健康、環境、
ナチュラル、オーガニック、平和に関心が高く、センスの良さを求める。6月はプライドマンス(プライド
月間)と呼ばれ、ゲイパレードが各都市で行われる。シンボルマークは虹色なので、この人たちを歓迎する百貨店、ドラッグストアやレストランなどではレインボーマークを貼ったり、レイボーフラッグを店頭に掲示することにより、これらの人々を固定客化している。

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