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下記の表の通り、2012年以降小売業全体の売り上げは毎年4%程度しかないが、Eコマースは14〜15%の大きな成長をしている。そして小売業に占めるシェアは毎年約1%ポイント増え、このままいけば7年後の2024年には計算上約20%のシェアになる。まさにEコマースは小売業の 「ゲームチェンジャー」 となっているのだ。
【低成長の米国小売業全体と高度成長のEコマース(e-tailer)】
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2016年
2015年
2014年
2013年
2012年
 全小売業(自動車・ガソリンを除く)
32950億ドル
31860億ドル
30760億ドル
29490億ドル
28570億ドル
 前年比 
3.4%
3.6%
4.3%
3.2%
3.7%
 Eコマース
3900億ドル
3390億ドル
2980億ドル
2600億ドル
2300億j
 前年比 
14.9%
14.0%
14.5%
13.2%
15.6%
 Eコマースシェア
11.8%
10.6%
9.7%
8.8%
8.0%
(The US Census Bureau)


それを証明するかのように、2016年米国の小売業ランキングでは、Eコマースの表格アマゾンが2015年の8位から7位に躍進した。一方、旧態依然のかつての勝ち組小売業(アメリカンアパレル、ラジオシャック、ペイレスシューズ、リミテッド、スポーツオーソリティ、スポーツシャレイ、トイザらス、ベストバイ、JCペニー、シアーズ、JCペニー、メイシーズ等)は店舗の大量閉鎖や倒産に追い込まれ、2017年中に8000店舗近くが閉店されると予測されている。
このようなEテイラーとの激しい戦いに勝ち残るため、米国のリアル店舗は販売促進に非常に力を入れている。昨年から今年にかけて目につく店頭現場での販促プログラムを「新規客獲得」 「既存客来店頻度向上」 「既存客の固定化」 「買い上げ点数の向上」 の4回にわたって紹介しよう。


小売業は毎年平均2割の顧客を失うといわれており、成長するためには新規客獲得は必須になっている。


店は買い物の場と思えば、消費者は買い物をする必要がなければ店に行かない。そこで、買い物以外のことでも来店してもらい、そのきっかけでお客になってもらうために下記のような新規客獲得の販促を行っている。

a) 会合やパーティールームとして部屋を貸し出すスーパー/ワイン専門店
米国のスーパーやワイン専門店では、会議室として部屋を無料で貸し出し、その後のパーティーにスーパーなどの食材やワインを利用してもらっている。その時にソムリエも交えてワイン試飲会やワイン講座を実施している。子供のバースデーパーティーにもスーパーの空いている部屋が良く使われている。家でやれば料理、片付けと大変だが、料理・ケーキ・飲み物・紙の皿やコップなどがスーパーから提供されるので、忙しい主婦は大助かり。このパーティーに出席した子供の親も子もスーパーの良さを実感して新規客になるケースが多い。

b) 独身者料理教室/健康教室/ガールズナイトパーティーなどを展開するウェグマン
東海岸の優秀スーパーマーケットウェグマンでは、一般の人はもちろん独身者に絞った料理教室や食育を兼ねた子供の料理教室を実施して評判だ。ウェグマンの惣菜は非常に美味しく有名だが、私の家内も米国で一番おいしい惣菜はウェグマンのだと言っている。訪問したニュージャージー店の店長の説明によると、美味しい総菜を売りにしているため、常に料理の質を高めており、料理部門の責任者は超一流ホテルリッツカールトンからスカウトしてきたとのことだ。
ドラッグストアやスーパーマーケットでは健康相談会や栄養士を活用した栄養相談会を一般にオープンし、新規客獲得に役立っている。またホールフーズマーケットでは独身女性同士の知り合い作りのために小パーティーを開催し、地域の人々に交流の場を提供している。

c) トイザラスのキッズバースデークラブ
トイザらスのキッズバースデークラブでは、誕生日を迎えたキッズにぬいぐるみのジェフリーと一緒の写真撮り、店内でハッピーバースデーソングを歌い、プレゼントもする。子供を持つと多くの人がこのクラブに登録することによって新規客になっている。

 

 


「Rich Enjoy Discount, Poor Need Discount(金のある人はディスカウントを楽しみ、金のない人はディスカウントを必要とする)」という言葉があるとおり、誰もが価格に関心がある。下記はその価格に特徴を付けて新規客を獲得する手法だ。

a) 同一商品を長期間超お買い得価格で提供
新規客獲得のためにPR価格(PRのための超低価格の呼称)を提供している。PR価格とは、「人々の印象に残る価格を長期的に提供する」 ことにより、その店の存在を消費者の脳に叩き込み来店してもらうことが目的だ。例えば躍進著しいトレーダージョーでは、ディスカウントのチラシは無いし、マスメディアを使った一般広告もしていない。昔からツーバックチャック(チャールズショーという1.99ドルのワイン。最近では値上げされ2.49ドルになった)で、評判をとり 「ツーバックチャックのトレーダージョー」 といわれるほどチェーン名をPRするのに大変貢献した。品質の良さもあり一躍有名になり、今では本数ベースで一番売れるワインに成長している。
また顧客が価格を気にするバナナの値段も、昔から1本19セントの超低価格を提供しており、バナナはお買い得、ひいてはトレーダージョーの価格は良心的という評判をとり新規客を集めている。顧客を来店させるためにチラシでいろいろな商品のディスカウントをする手法が一般的だが、トレーダージョーでは商品を決めて長年同一低価格で提供することでPR効果を絶大にして新規顧客の集客に役立てている。

b) ウォルマートやホームデポの最低価格保証

ウォルマートや世界一のホームセンターホームデポでは最低価格保証をしており、競合が同一商品でより安い価格を提供している場合は、差額を返金するか価格を合わせてくれる。もっと安い価格の店があったのに...と後で後悔しないで済むので新規顧客も安心して店に来られる。またウォルマートでは 「ロールバック(昔の安い値段に戻した価格という意味)」 という、対象商品を3ケ月程度の長期間昔の安い価格に戻すキャンペーンを実施している。これもウォルマートの価格に対するこだわりを消費者に印象付けし、新規客獲得に役立てている。
ターゲットやノードストロームでは、定番価格で購入した商品がその後2週間程度以内に店舗でディスカウント販売されているときは、お客の申し出により差額を返金している。

a) 店舗同士のコラボにより送客し合う
ラルフスーパーマーケットは一定額以上購入すると、クリーニング店、ガソリンスタンド、自動車洗車施設などへのディスカウントクーポンがレシートの裏に印刷され提供される。こうしたコラボ企業を利用したくて、ラルフで買い物をして新規客になる人がいる。アパレル店のカルバンクラインとアイゾッドでは、カルバンクラインの購入客に対してアイゾッドでの割引券を提供し(逆もあり)客を紹介しあっている。

b) コラボスイープステーク(コラボによる抽選式販促)
シカゴのジュエルスーパーマーケットでは、コカ・コーラ+ジェネラルミルズ+バッドワイザー 連合による1万ドル当選ビッグキャンペーンを展開。1万jが当たるとなると魅力があって、新規客の来店も増加した。コカ・コーラ等一つの企業のキャンペーンであれば、景品表示法の制約でそれほど魅力的な景品も用意できないが、大手3社の共同キャンペーンであると魅力的なものになる。これはジュエルのバイヤーが3社と話し合ってまとめたプログラムだ。

c) コカ・コーラ&ラルフスーパーマーケットとサンディエゴシーワールドによる
「コラボセルフリキデーション&スイープステークプログラム」
ラルフメンバーがラルフでコカ・コーラを10ドル以上購入すると、サンディエゴシーワールド入場券を15ドル引きで購入出来る。その上抽選(スイープステーク)で50人にシーワ-ルドホテル券、入場券、ギフトカードなどを提供。またセルフリキデーション(ある製品を購入することを前提に、その費用の一部を消費者が支払うことでプレミアム景品を取得することができる仕組みのプレミアムキャンペーン)としてシーワールドのキャラクターがディスカウント価格で購入できる。

 

a) レジストリープログラム
トイザラスやベビザラスのベビーレジストリープログラムやベッド・バス&ビヨンドのウェディングレジストリープログラムが普及している。米国にもベビーの誕生や幼稚園・小学校に入園・入学した時お祝い品を贈る習慣がある。しかし贈られる商品が重なることが多いため、考え出されたのがこのプログラムだ。贈られる方は欲しい商品のリスト(Wish List)を作り、トイザらスなどに登録する。トイザらスの方では価格付き商品リストを作成して登録する。贈る人はトイザらスのサイトで贈られる側のウイッシュリストを見ながら自分の予算に合わせて贈る商品を決めるので、お祝い品がダブることがない。ホームファーニシングストアのベッド・バス&ビヨンドのウェディングレジストリープログラムも同様のプログラムだ。今までこれらの顧客でない人も、贈り物をするために新規顧客になる。

b)他のチェーンから処方箋を移動した場合25ドルのポイントを提供
調剤薬は薬の飲み合わせをチェックするために、薬歴を管理する必要があるが、そのため殆どの人は同じドラッグストアで処方薬をもらう。そのため調剤は固定客化に大変貢献している。当然
ドラッグストア間での顧客の奪い合いは激しく、処方箋を他のドラッグストアから移動した場合はご褒美を上げるという新規顧客獲得プログラムを実施している。ドラッグストアウォルグリーンは処方箋を他の薬局からウォルグリーンに移動した場合、25ドルのクーポンが提供される。

c)新規メンバーに当日特別ディスカウント
百貨店で多いのだが、新規メンバーになると当日の買い物が割引きになるプログラムの提供。
購入金額が多い場合お得感が強くなるために、新規メンバーになる人が多い。百貨店のサックスフィフスのアウトレット 「Sak’s Off Fifth」 は新メンバーに当日の購入金額の10%のディスカウントを提供している。ディスカウントストア第二位のターゲットは、ターゲットのレッドカードを作るとそれを使った買い物商品(オンラインもリアル店舗も)に対し5%引きやオンライン商品の配送料が無料になるプログラムを提供している。

その他顧客紹介制度、他チェーンと組んだ共通ポイントカード活用など、新規客創造販促を積極的に展開している。

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