アメリカのドラッグストアを検証し、日本のドラッグストアにあう多彩なプログラムを提案します
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トランプ政権の誕生で法人税の減税、規制緩和、インフラ投資、防衛費増額、自国第一主義などによる景気への期待から、2017年に入って株価は史上最高値の2万1千ドル越えをした。今後もシリアや北朝鮮など
地政学上の問題等不安要素も強いが、経済の専門家は4.5%程度という完全雇用に近い低失業率、強い消費性向、低金利などによりGDPは2%の堅実な成長をすると予測している。
項目
2016年
2017年(予測)
2018年(予測)
 実質GDP成長率
1.6%
2.1%
2.0%
 失業率
4.7%
4.5%
4.5%
 個人消費支出成長率
2.7%
2.7%
2.5%
(資料:SDR2017年4月号)

一方今後のドラッグストア業界をみてみると、トランプ大統領によるオバマケアに対する何らかの修正が保険保持者を減少させ、ドラッグストアの調剤売り上げにネガティブなインパクトを与える恐れがあること、主消費者に躍り出た8300万人のミレニアルの人々はオンラインショッピングを好みEコマースの成長に貢献している一方、リアル店舗のドラッグストアに対する来店頻度下落の問題を与えていること、アマゾンが調剤薬市場に参入計画をしていることなど課題が多い。
2016年度の北米(米国及びカナダ)のドラッグストア業態は2015年比2.7%の成長を遂げた。その内チェーンドラッグは3.1%成長したが、独立ドラッグ(10店舗以下のドラッグ企業)は1.4%に留まった。チェーンドラッグの既存店成長率はこの数年で最低を記録し2.4%であった。過去を振り返ると、2007年既存店は5.6%、トータル店舗は7.7%成長したが、近年のネットの成長はリアル店舗の成長にダメージを与えている。
売上げ構成比でみると、チェーンドラッグが76%、独立ドラッグが24%だ。21世紀には生き残れないと言われていた独立ドラッグの健闘は見事で、高い顧客満足度に支えられている。特に調剤において消費者の満足度評価が一番高いのが独立ドラッグで、家族全員の健康状態を把握している専門性、待たせない調剤、大手ドラッグでは在庫しない調剤薬の品揃え、なじみの薬剤師(大手は転勤で始終変わる)、近隣の医師を定期的に訪問することによる必要な薬の情報と在庫、マッケソンなど大手薬卸による経営サポートなどが功を奏している。また大手ドラッグが手を出しにくいホームヘルスケア(介護・看護用品)に力を入れているのも大手との大きな差別化になっている。
ドラッグストアトータルの店舗数は46527店舗で、2015年よりわずか34店舗の増加であった。チェーンドラッグは83店舗増加したが、独立ドラッグが49店舗減少した。店舗数構成比では、チェーンドラッグが58%、独立ドラッグが42%だ。店舗数の伸びが小さかったのは大手チェーンドラッグがオーバーストアの状態にあること、既存店重視政策を打ち出していること、そして独立ドラッグが不採算店を積極的に閉店したこと等によるものだ。
6〜7年前まで大手ドラッグストアは出店競争をし、ウォルグリーンは17時間に1店舗新店をオープンしていたことを思うと隔世の感がある。
ドラッグストアの平均売り場面積は299坪程度で、日本のドラッグストアとさほどかけ離れた違いは無いが、店舗当りの売上げは日本のドラッグストアの平均売上の2倍強、つまり11百万ドル(1ドル100円換算で11億円)を超えている。これは65%の構成比を占める調剤薬の売上げ(日本は10%程度)と、食品の強化による売上拡大が大きな要因だ。逆を言うと、日本もドラッグストア市場が拡大するチャンスは大で、調剤及び食品の更なる強化が必要だ。
米国のドラッグストア業界は合併による規模拡大がメインテーマだったが、最終局面に入っており、全米第3位のドラッグストアライトエイドが今年中にウォルグリーンに買収される計画だ。実現した場合、米国で1000億jドラッグストアの出現だ。
【2016年度北米(米国&カナダ)ドラッグストア業界】
項目
実績
前年比
構成比(%)
 チェーンドラッグ売上
3073億ドル
+3.1%
75.8
 独立ドラッグ売上
981億ドル
+1.4%
24.2
 ドラッグストアトータル売上
4054億ドル
+2.7%
100.0
 チェーンドラッグ店舗当たり売上
11.3百万ドル
+1.0%
-
 チェーンドラッグ売上/坪
37872ドル
+900ドル
-
 チェーンドラッグ既存店売上伸長率
+2.4%
▲0.8%ポイント
-
 チェーンドラッグ税引き後純利益率
1.5%
同じ
-
 チェーンドラッグ店舗数
27079店舗
+83店舗
58.2
 独立ドラッグ店舗数
19448店舗
▲49店舗
41.8
 ドラッグストアトータル店舗数
46527店舗
+34店舗
100.0
 チェーンドラッグ平均店舗売場サイズ
299坪
同じ
-
(資料) Chain Drug Review2017年4月号

北米ドラッグストア企業ランキングを見てみると、ウォルグリーンとCVSが圧倒的な強さで、両社とも800億j企業だ。第3位がライトエイドで300億j弱企業で、このトップ3と多くの小規模ドラッグストアで構成されているのが米国ドラッグストアの現状だ。
4位のヘルスマートは米国医薬品卸No.1のマッケソンの子会社だが、その会社が米国の小規模ドラッグストア&ファーマシー約4800店舗を組織化している。そして色々な経営サポートをしており、加入しているドラッグストアやファーマシーは顧客への販売・サービスに専念できるようになっている。5位のショッパーズドラッグマートはカナダのNo.1ドラッグストアであるが、新店舗はアップルストアのデザイナーを採用しおしゃれでシャープな店作りは好評だ。一説によるとウォルグリーンも店舗のデザイン性に関しては、ショッパーズドラッグマートを非常に参考にしているとのことだ。ディプロマット・スペシャリティ・ファームは特殊な病気(がん・エイズ・臓器移植・小人症・不妊症等)の患者用の調剤薬やOTCの提供と生活習慣のカウンセリングを行っている。19位のBartell Drug はワシントン州に主に出店しているが、地産地消をモットーに地元商品を大切にし大手ナショナルチェーンと差別化をしている。
26位のHy-Veeは 「トータルウエルネス」 を展開しており、店内に薬剤師、栄養士、ヘルスコンシェルジェ、
シェフ、そしてインストアクリニックの看護師を配置し、全員で顧客の問題解決に努めている。34位のPharmacaは調剤やOTCも提供するが、特徴はオルターナティブメディシンで、ナチュラルなビタミン、ミネラル、ハーブに力を
入れ、ヨガ、笑い、座禅教室などを提供し一部の消費者から強い支持を得ている。品揃えされているビューティケア商品もグリーンビューティーと呼ばれるナチュラルやオーガニックの素材で作られた商品だ。
【トップ20ドラッグストア】
チェーンストア
売上金額(億ドル)
前年比(%)
店舗数
前年比
 1) Walgreens
838.0
+3.5
8,175
+2
 2) CVS Health
811.0
+12.6
9,709
+54
 3) Rite Aid
265.2
▲1.4
4,536
▲25
 4) Health Mart
118.0
+14.6
4,834
+224
 5) Shoppers Drug Mart(Canada)
91.1
+3.5
1,326
+13
 6) Diplomat Specialty Pharm.
44.1
+31.0
NA
NA
 7) McKesson Canada(Canada)
39.5
NA
2,170
+610
 8) Jean Coutu(Canada)
31.7
+1.9
417
+1
 9) Fred’s Pharmacy
21.3
▲1.2
362
▲10
 10) London Drug(Canada)
20.3
+3.1
78
0
 11) Medicine Shoppe
17.1
▲2.8
521
▲2
 12) Uniprix(Canada)
14.8
+3.1
380
0
 13) Marc Glassman
14.1
+3.1
58
0
 14) Genoa
12.0
+20.0
359
+61
 15) Pharmasave(Canada)
10.3
+5.3
600
+45
 16) Kinney Drugs
7.6
+3.1
100
0
 17) Care Pharmacies
6.9
+20.0
82
0
 18) Discount Drug Mart
6.9
+3.0
73
0
 19) Bartell Drugs
4.5
+3.1
65
+1
 20) Thrifty White Stores
4.1
+4.4
94
+2
 26)Hy-Vee
2.3
+3.1
17
0
 34)Pharmaca
1.4
+13.0
29
▲1

トップ3企業を見てみると、店舗当たり売上はウォルグリーンが9.3百万ドル、CVSが8.4百万ドルそしてライトエイドが5.6百万ドルだ。ウォルグリーンの平均店舗サイズが400坪と他チェーンより大型であることによる。CVSが前年比12.6%の売り上げ増を記録したが、これはディスカウントストア大手チェーンターゲットのファーマシー部門を買収した結果、その売り上げが加わった影響が大だ。CVSはたばこの取り扱いをやめ、健康を意識したBetter for Youフード(グルテンフリー、ラクトフリー、非遺伝子組み換え、低塩分、オーガニック食品等)に力を入れており、Grab-and-Goと呼ばれる即食(サンドイッチ、惣菜、カット野菜・果物等)を中心にした食品売り場は、ヘルスへのこだわりにより消費者の支持を得ている。2017年の出店計画を見ると、ウォルグリーンが107店舗そしてCVSが130店舗と今年も以前と比較すると控えめな数値を出している。その他ビジネスでみると、CVSがリテールクリニックを1139ケ所展開して全米No.1 である。また今後の成長性が非常に高いと予測されているスペシャリティファーマシー機能も23ケ所設けているのが興味深い。ライトエイドは米国No.1ビタミンショップGNCと提携し、店内に2322ケ所のGNCビタミン専門コーナーを設け、ニーズの高まっているオルターナティブメディシンを提供し、売り場にはタッチスクリーンを置いてビタミン情報を得やすくしている。またビタミンアドバイザーも配置し、売り場案内、商品選択のお手伝いや薬剤師への橋渡し役をしている。3チェーンともEコマースを導入しており、オムニチャネル対応をしている。顧客がネットで注文し店舗に取りに来るクリック&コレクト機能があり、消費者に便利がられている。ドラッグストアがオムニチャネル対応をするのは、店舗のみ利用する顧客より、店舗とネットの両方を利用する顧客のほうが3〜5倍の顧客価値があるというのを分かっているからだ。
また1980年代〜90年代に誕生した8300万人のミレニアルズ世代の28%は、調子が悪い時医者に行かず自己診断し、36%は自己治療をしている。彼らは医師より一番アプローチしやすい薬剤師のカウンセリングを受けたがっている。そのため薬剤師は調剤カウンターの後ろから前に出てきて、ヘルスケアの相談に積極的に乗るように試みている。
 【トップ3ドラッグストア(2016年度)】
Walgreens
CVS Health
Rite Aid
 売上金額
838.0億ドル(+3.5%)
811.0億ドル(+12.6%)
265.2億ドル(▲1.4%)
 既存店舗売上
+3.8%
+1.9%
NA
 売上/店舗
9.3百万ドル
8.4百万ドル
5.6百万ドル
 営業利益額
44.1億ドル(+13.2%)
72.8億ドル(+2.1%)
NA
 営業利益率
5.3%
9%
NA
 店舗数
+2.4% 8,175店舗(+2店舗)
9,709店舗(+54店舗)
4,536店舗
 2017年新店舗計画
107店舗
130店舗
NA
 平均店舗サイズ
400坪
333坪
353坪
 配送センター
17ケ所
20ケ所
16ケ所
 他ビジネス
PBM、リテールクリニック(400ケ所)、スペシャリティファーマシー(7ケ所)、メールサービス施設(2ケ所)、Eコマース
PBM、リテールクリニック(1139ケ所)、スペシャリティファーマシー(23ケ所)、メールオーダー施設(4ケ所)、スペシアリティファーマシーメールオーダー施設(13ケ所)、点滴/経腸栄養サービス(84ケ所)、E コマース
PBM、リテールクリニック(92ケ所)、ヘルスマネージメント、GNC ビタミンコーナー(2322ケ所)、E コマース
     

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