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前回に続いて購買点数増加の具体策について述べてみよう。


ワンプライスストアの王者ダラージェネラルは、非常に良い業績をあげ、近年の米国小売業の超優良企業だ。さすがのウォルマートも、ダラージェネラルの小回りの利いたディスカウント戦略に対抗することができない。店内で販売している商品は、名前が表す通り1ドルの商品が多いが、中には、3ドル、5ドルの商品や、高いものになると300ドル程度のものもある。ディスカウントが売り物だが、買上げ点数を増やすために、すでに最低価格にまで下げられた玩具を数点まとめて75ドル以上購入すると、さらに10%ディスカウントするプログラムを実施している。
ラルフローレンのアウトレットセンターでも、200ドル以上購入するとさらに10%引きしている。このように、さらなる値引きがあると、少々無理しても値引き対象額以上購入するので、購買点数アップにつながる。


比較的短期間陳列の関連陳列と違い、クロスマーチャンダイジングとは複数個所に定番として売り場を確保することを指す。例えばジョンソン・ベビーローションをベビーコーナーと大人のスキンケアコーナーに陳列、タバスコを調味料コーナーとピザ・パスタコーナーへ陳列、ガムをレジ前のガムコーナーとオーラルケアコーナー、美白効果からビタミンCをビタミンコーナーと化粧品コーナーへの陳列という具合だ。
面白いことに、ある店舗では、胃腸薬が薬売り場と化粧品売り場に陳列されている。胃腸の働きを良くして、健康的なお肌を保つという目的だ。忙しい人の増加やシニアの増加で、全売り場を歩く人が減少している。そのため、お客の使用シーンに関連する商品を定番として配置することが必要になっている。実際に米国のスーパーマーケットやドラッグストアでは、オリジナルの売り場より、クロスマーチャンダイジングの売り場の方が売れている商品が沢山ある。


通販のサプリメント会社のカタログを見ると、組み合わせ販売をよくやっている。それも無関係な商品の組み合わせでなく、両方摂取した方がより効果が高いと思われる商品を組み合わせ、且つディスカウントしているから、消費者は、どうせならと両方購入する。一例を上げると、血糖値の高めの人は血圧も高めのことが多い。そこで、血糖値を下げるサプリと血圧を下げるサプリを両方購入すると、通常8295円のところを7100円にする。さらに、血圧の高い人は塩分の摂取を抑えなければならないので、体内塩分をコントロールするサプリのまとめ売りで、通常6300円のところを5300円にする。また、血糖値の高い人は運動不足のことも多いので、血糖値を下げるサプリとエネルギーを発散するのに効果のあるサプリをまとめ売りし、1750円もお得な価格を提供する。これなら、「問題解決に役立つ商品の組み合わせ」+「お得な価格」になるからお客はまとめ買いをする。店の買い上げ点数も向上する。


米国・ニューヨークの本社をおく新聞社ニューヨークタイムズでは、ワインクラブを運営している。このワインクラブには、タイムズサンプラークラブ(新しく会員になる人向け)や、タイムズリザーブクラブ(比較的高級ワインを求める人向け)など、会員の希望に応じていくつかのクラブがある。会員の選択により、毎月、2か月ごと、4か月ごとに赤ワイン4本と白ワイン2本が、プロのテイスティングした感想ノートとともに送られてくる。また会員は、送られてくるワイン以外のワインを10%引きで購入出来る。新会員を増やすためにタイムズサンプラークラブの1回の購入額90ドルを半額にするキャンペーンも時々行っている。このようにメンバー性にして定期的に複数のワインを送るプログラムは、売り上げ本数が上げる。メンバーにとっても、良質のワインや珍しいワインが安く購入できる楽しみがある。


売り場レイアウトでは、買い物のスタート時と中盤には判断力を要する商品を配置し、終盤になるほど判断力の要らない商品を配置することが大切だ。人間の買い物意欲は、時間の経過とともに低減する。疲労で集中力が欠如したり、時間に追われるなどして、脳の判断力が低下していくからだ。従って、買い物の初期・中期には判断力を要とする商品にスペースを与える必要がある。例えば、嗜好性の強いものや化粧品、薬、ファッション商品、青果、生鮮の提案陳列、テーマ陳列、あるいは季節商品、価格の高い商品(入り口近くに置くと敷居の高い店になるので注意)などである。
業績不振のドラッグストアを見ると、入り口近辺にはその店の主力商品ではないディスカウントのトイレットペーパーや洗剤、食品が置かれているが、これらはお客の判断力を必要としない商品だ。そして、肝心の判断力を必要とする主力の化粧品や薬を、買い物の終盤に配置しているから、その時点では、お客の買い物意欲はすでに減退し、関心を示さなくなっている。
日本の某ドラッグ企業の郊外店が成功していないので、その原因を探しに行った。第一主通路はカップラーメンや冷凍食品のオンパレードで、その企業の得意の化粧品コーナーが買い物の終わりの方に配置されていた。レイアウトに基本的な問題のあることが発見された。入口近辺にビューティーケアを、買い物行動の最後の場所に食品を配置するレイアウトの変更で業績は上がった。


レジスター・リワードの一つに、特定の商品を購入すると、レジでの支払い時に、次回同じ商品を購入する際に使える割引クーポンを渡す方法がある。私が体験した具体的を上げると、ある時ウォルグリーンで、ニュートロジーナのスキンクリームを2個購入した。通常25ドルの商品が、2個購入したことで、5ドル引きになっていた。さらにレジで、次回同じ商品を購入する場合1個10ドル引きになるクーポン券を渡された。実際に次回、そのクーポンを使うと、25ドルから10ドル引いた15ドルで購入出来た。結果として〔(25ドル×2)-5ドル〕+ (25ドル-10ドル)=60ドルで、3個購入して60ドル支払ったことになる。定価で購入すると25ドル×3個=75ドルだから、15ドル引きつまり20%引きで替えたわけだ。なぜこのような面倒なことをするかというと、今の客は一個20%引きでも1個しか購入しないし、おまけに来店頻度も低い。そこで、レジスター・リワード販促プログラムの導入で、再来店を促す同時に、複数購入を誘導しているのだ。


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