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売上げは「来店客数」×「客単価」(「一品単価」×「購買点数」)で決まる。来店客数が一定だと仮定したら、売上げを伸ばすには、一品単価のアップする又は購買点数を上げるのどちらかになる。一品単価のアップは顧客に値段の高い店という印象を与え、客離れを引き起こす。だから、小売業は購買点数を上げることに躍起になるのだ。
顧客の店内を歩く距離と買い上げ点数は比例するので、買い上げ点数を上げるには、まず出来るだけ店舗全体を歩いてもらう必要がある。そのためには、来店客の70%以上が主通路を歩いてもらえるように、第一マグネット(磁石)になる主通路壁面に主力商品を配置するレイアウトが必要だ。また第二マグネット(磁石)を主通路突き当りに、第三マグネットをゴンドラエンドや平台に、そして来店客をゴンドラ間の通路に誘導する第四マグネットをゴンドラ内に配置することが必要だ。またもう一品の購入を引き起こすために、クロスMDや関連陳列、またバンドルやミックス&マッチの販促が必要になる。これらのことを米国の小売業がどのように行っているかを紹介しよう。


トイザらスは、「Buy One Get One Free」という販促をよく行う。これは1個買うと、もう1個は無料になるということだ。比較的価格が低い10ドル以下の玩具やゲームに使われる販促プログラムだ。例えば、「ドラゴンボールZ」は1個5ドル99セントで、2個目は無料でもらえる。これは「ドラゴンボールZが2個で5ドル99セント」と同じ意味だが、お客は「無料(Free)」という言葉に引き付けられるので、訴求力に差が出る。


最近店頭で良く目にするのが「3個目フリー(無料)」「2個目50%引き」などの価格設定だ。3個目フリーということは1個あたり33%引きと同じだ。2個目50%引きは1個25%引きと同じだ。どうしてこのような表現をするのかと言うと、まず、フリーとか50%引きという強烈な表現は、消費者にお買い得店のイメージを強烈に与えるから、まとめ買いが促進される。また、一個単位での値引きでは、買い物に慎重な消費者は1個しか買わないが、このようなやり方だと複数個購入してくれるので、購買点数が上がる。そして、値引き幅の大きい1個33%引きだと価格が乱れ、結果としてブランド破壊につながりかねないためメーカーの協力を得にくいが、まとめ買いならブランドイメージを損なわないからだ。筆者の家庭も、ハーゲンダッツのまとめ買い販促があると複数買いをする。そして、冷凍庫に入っていると、ついつい食べてしまう。


米国では、殆どのスーパーマーケットでメニュー提案をしているが、どこも似たり寄ったりで、余り顧客の関心を引いていない。しかし東海岸のリージョナルスーパーマーケットのウェグマンでは、その種類が豊富で、イタリアン、フレンチ、カリフォルニア、チャイニーズなどに分けてメニューの提案がなされ、その豊富さが喜ばれている。ユニークなのは、ホールフーズマーケットの「4人家族10ドルディナー提案」と金額をうたったディナー提案だ。不景気な時代は、どんな良い提案をされても、お金がかかりそうといって提案に目を向けてくれない。予算を書くことで、顧客を安心させ関心を引き寄せている。今までも夕食の献立メニューの提案はあったが、10ドルというように金額まで書いたメニュー提案は珍しい。経済的な献立作りに頭を悩ましている主婦が、スーパーに行けば提案があるというので店に足を運び、献立に必要なものをまとめて買ってくれる。


スーパーマーケットのアルバートソンでは、10個10ドルコーナー(10 for 10)を設置し、まとめ売りを促進している。陳列されている商品どれでも10個を10ドルで販売する販促プログラムだ。1個1ドル25セントするような商品だから、まとめ買いをした方が得になる。また10個10ドルと区切りがよいことから人気があり、このコーナーは、商品ががらがらになっていることが多い。
スーパーマーケットのセーフウエイでは売場設置をせず、チラシとPOPのみで訴求のミックス&マッチを展開した。10月10日に10が2つ並ぶ日を祝って「Celebrate 10/10 with Big Savings!」キャンペーンを実施したのだ。ゲーターレイドの飲料水、ホライゾンの牛乳、ホステスのスナック、デルモンテのフルーツヨーグルト、レッドのソーセージ、ロザリタの豆缶詰、ミシェリナの冷凍ディナー食品、コルゲートの歯磨き・歯ブラシ、セーフウエイのバッテリーなど約40アイテムを、どれを選択しても10個10ドルで購入できるキャンペーンを展開して大好評だった。


「ミックス&マッチ」プロモーションとは、異なる商品を複数個購入するとディスカウントされるプログラムだ。同一メーカーの商品の場合も、同じカテゴリーの異なるメーカーの商品の場合もある。「キャットフードどれでも1缶10ドル」、同一メーカーのお菓子を集めて「5袋どれでもまとめ買いで5ドルディスカウント」、対象商品を山積みにして「5個まとめ買いで6ドルディスカウント」、対象ワインを並べて「どのワインでも6本購入すると10%引き」等々がその例だ。日本の輸入食料品店カルディも、「コーヒー豆5種類購入すると300円引き」のキャンペーンを実施し、色々なコーヒー豆の購入を促進させている。同一商品の複数買いでは飽きがくるので、ありまとめ買いが促進されないが、このように、色々な商品の中から選んで購入出来るプログラムだと、「バラエティさ」と「安さ」にひかれてまとめ買いをしてしまう顧客心理をついている。また、一個当たりのディスカウントでないためにブランドイメージを損なわないというメリットもある。


米国のスーパーマーケットで、最近よく行われているのが「ペアリング販促」だ。一緒に食べたり、一緒に使うことが多い消費を組み合わせて提案するプログラムだ。
シカゴにあるスーパーマーケットのドミニクスのペアリング販促は、「ステーキとスタッグスリープの赤ワイン」の組み合わせだ。ステーキ売り場にある対象のステーキ肉の所に,対象のワインが関連陳列され、ペアリングワインのPOP表示がされている。また、スタッグスリープの赤ワイン売り場では、肉を陳列するわけにいかないので、大きなボードのPOPを設置し、顧客にペアリングを訴求している。両方を購入すると6ドルディスカウントになるので、売れ行きは上々だ。
スーパーマーケットのラルフスでは、夕食向けの各種メニューとそれに合う白ワインを合わせて購入すると、割引きをするペアリング販促を提供している。ホールセールクラブのコストコも、各ワインに権威あるワインの専門家パーカー氏によるパーカーポイントを表示し、「ワイン&フードのペアリングガイド(それぞれの食べ物にあったワイン)」の大きなポスターをディスプレイしている。今日の夕食にあったワインを選びやすい。
このように、消費者の欲求を満たすために、部門間を越えた販促も今後重要になってくる。
「食器洗剤&ハンドクリーム」「歯ブラシ&歯磨き」といったペアリング販促は、ドラッグストアで良く行われているものだ。飲食店でも、料理ごとに、その料理に合うワインを楽しめるよう、フルグラスより価格の安いハーフグラスでワインを提供しているレストランもある。これもペアリング販促のひとつだ。


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