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米国ではネットの成長が著しく、リアル店舗市場のシェアをどんどん奪っている。現在ネットの構成比は10%程度だが、いずれ30%になるのではと予測されている。そのため便利性の欠如した百貨店、ディスカウントストア、カテゴリーキラーの業態では、店舗の大量閉鎖が起きている。例えば、百貨店のメイシーズでは今年初めに40店舗の閉鎖を発表したが、その後その数を100店舗にまで増やした。その米国小売業がネット対策として力を入れているのが「ホスピタリティ
(おもてなし接客)」だ。価格ではネットにかなわないから、高い顧客満足で対抗しようとしているのだ。ネットは無機質だが、店舗には従業員がいるからその人間力をもっと活用して、快適な買い物体験をしてもらおうという動きになっている。そのためドラッグストアのウォルグリーンやライトエイドでは、店舗によってはヘルスガイドを配置してコンシェルジュサービスを提供している。
日本ではネットの小売業に占めるシェアが米国の約半分程度だが、今後急激な成長が予測されている。今からホスピタリティを強化して、ネット対策をとる必要がある。そのホスピタリティを育てている米国の具体策について述べてみよう。


企業が継続的に利益を生むためには、売上げと利益を運ぶ「ロイヤルカスタマー」を数多く持つことが必須だ。ロイヤルカスタマーは次の二つの能力によって作られるが、良いホスピタリティは不可欠な条件である。

「ロイヤルカスタマー」=
「顧客の問題解決能力(ソリューション)」 × 「ホスピタリティ能力(おもてなし)」

「顧客の問題解決能力」とは、食べもの屋でいえばおいしい食事を提供するということだ。
しかしどんなにおいしい食べもの屋でも、感じの悪い接客では顧客はロイヤルカスタマーにならない。特に高齢社会になるほどホスピタリティの重要性の度合いが大きくなる。そのためホスピタリティの強化が企業の最重要戦略なっていなければならない。
良いホスピタリティは「おもてなしの技術」と「おもてなしの心」の両方がなければ、提供出来ない。しかし、いくら「技術」を教えたところで、「心」が伴っていなければ、教えた「技術」はすぐメッキがはがれてしまう。そのおもてなしの心を育てるためには、「感動力」を高めなければならない。感動する心が大きいほど、より大きなホスピタリティを提供できるからだ。
素晴らしいサービスで有名なホテルリッツカールトンでは「Wow! ストーリー」というプログラムがあり、週2回本社が選んだ顧客からの感動ストーリーを毎日開かれる20分の会議で発表してスタッフの心を育てている。「自分が受けた感動の量と大きさしか、人は感動を他の人に与えられない。だから良い接客をするには、沢山の感動体験を従業員に与えることだ」と、2015年グローサリーストア顧客満足度調査でNo.1を勝ち取ったトレーダージョーの幹部が述べていた。


通常の買い物ではお客は堅苦しい接客でなく、気軽で親身なフレンドリーサービスを求めている。そのためにフレンドリー接客の基本である「SGNATC」をさらに強化している。


【フレンドリーサービス(親しみのある接客)の提供】
S
$mile
(スマイル)
「安心感」の
パスポート
素晴らしいスマイルはお客に安心感を与える
G
Greeting
(挨拶)
「コミュニケーション」の
パスポート
良い挨拶で商売繁盛間違いなしという言葉がある通り、来店してくれた喜びを挨拶で表現しよう
N

Name
(名前)

「親密感」の
パスポート
世界で一番響きの良い言葉は自分の名前だ。お客様の名前を憶えて適宜に使おうことは、相手に特別な印象を与える
A
Action
(臨機応変の行動)
「感動作り」の
パスポート
お客様の要望に対して「No」と言わずに、「Yes,I Can」サービスを心がけよう。特にシニアには喜ばれる
T
Thanks
(心からの感謝)
「再来店」の
パスポート
感謝の言葉と帰り際の優しい一言は再来店を促すなどのちょっとした心遣いは顧客を感動させる
C
Care
(プラスワンのケア)
「お客様との心の絆作り」の
パスポート
お客様の買い物を車まで運んだり、誕生日カードを送る

カウンセリングが必要な時はライトカウンセリングを提供している。お客に商品などの説明をするときは、ライト(簡潔)カウンセリングが好まれる。じっくりした説明(フルカウンセリング)は時間がかかるし、買わなくてはいけないのではと思わせてしまう欠点がある。ライトカウンセリングの法則は「1・2・3」で、1人2分以内に3つのポイントで話をするのが良い。3つのポイント説明としては、「製品の持つ特徴」「顧客とってのメリット」そして「効果のある使用方法」という「F・B・I」の流れで話すと顧客は理解しやすい。


【F・B・I による説明 ・・・ お客が頭を整理できて分かりやすい】
 F = Feature
 製品の特徴
 成分の働き、それから生まれる適応や特徴
 B = Benefit
 顧客にとってのメリット
 10.6患者がその商品から得られる効果
 I = Incentive
 効果のある使用方法
 効果的な使用方法


小売業は毎年平均20%の顧客を失うという。不満があっても4%の顧客しか苦情を言わない。多くの人々は黙って店を去り、そして10人以上の人に悪評を流す。これが企業を弱めていく。そのため顧客が「不満を述べやすい仕組み」と、「問題の早期解決」は大切なホスピタリティである。苦情を素早くそしてきちんと解決した場合、「誠意がある対応」と評価され逆にロイヤルカスタマーになることが多々ある。下記の表でもわかるように、重要な問題がありながら不満を述べなかった顧客の再購買率はわずか9%だが、「不満が即時解決」された場合は顧客の再購買率を82%に戻す。


【不満を持った顧客の再購買率】
 顧客の不満
再購買率(%)
 重要な問題がありながら不満を述べなかった顧客
9
 結果はどうであれ不満を述べた顧客の再購入率
19
 不満が解決された顧客
54
 不満が即時解決された顧客
82

クレームの適切な応対は、企業の信頼性を高めロイヤルカスタマーを作っていく。今までは
「苦情処理」という言葉を使っていたが、その言葉に汚いものを処理するという雰囲気があり、
嫌々しがちであったが、顧客を中心にした解決アクションという意味合いを持つ「苦情応対」という言葉を使うことによって、次の6ステップによる前向きな行動に変わってきている。


【苦情応対の6ステップ】
 ステップ 1
 怒りや不満をすべて表現させる
 ステップ 2
 謝罪する。間違っても言い訳をしてはいけない。
 ステップ 3
 顧客の苦情・怒りを理解したことを分からせ、且つ苦情を言ってくれたこと感謝を述べる
 ステップ 4
 顧客の立場に立って解決策を見つける
 ステップ 5
 機能的な解決策にプラスワンをする
 ステップ 6
 解決策が十分機能したかフォローアップする

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