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2015年度の北米(米国及びカナダ)のドラッグストア業態は2014年比3.0%の成長を遂げた。そのうちチェーンドラッグは4.9%成長したが、独立ドラッグ(10店舗以下のドラッグ企業)は2.5%だった。売上げ構成比でみると、チェーンドラッグが76%、そして独立ドラッグが24%だ。21世紀には生き残れないといわれた独立ドラッグの健闘は見事で、高い顧客満足度に支えられている。特に調剤において消費者の評価が一番高いのが独立ドラッグで、家族全員の健康状態を把握している専門性、待たせない調剤、大手ドラッグでは在庫しない調剤薬の品揃え、なじみの薬剤師(大手は転勤で始終変わる)、近隣の医師を定期的に訪問することによる必要な薬の情報と在庫、マッケソンなど大手薬卸による経営サポートなどが功を奏している。また大手ドラッグが手を出しにくいホームヘルスケア(介護・看護用品)に力を入れているのも大手との大きな差別化になっている。
ドラッグストアトータルの店舗数は46493店舗で、2014年より1732店舗増加を記録した。全米第二位のドラッグストアCVSヘルスがディスカウントストアターゲットの持つドラッグ部門1700店舗分を買収したのが大きく、それを考えるとわずかな店舗数増だ。チェーンドラッグは1930店舗増加したが、独立ドラッグが198店舗減少した。店舗数構成比では、チェーンドラッグが58%、独立ドラッグが42%だ。店舗数の伸びが大きくなかったのは、大手チェーンドラッグがオーバーストアの状態にあること、既存店重視政策を打ち出していること、そして独立ドラッグが不採算店を積極的に閉店したことにある。立派なのはチェーンドラッグの既存店舗の売り上げが3.2%成長したことだ。
ドラッグストアの平均売り場面積は299坪程度で、日本のドラッグストアとさほどかけ離れた違いは無いが、店舗当りの売上げは日本のドラッグストアの平均売上の2倍強つまり11百万ドル(1ドル100円換算で11億円)を超えるボリュームをあげている。これは65%の構成比を占める調剤薬の売上げ(日本は10%程度)と、食品の強化による売上拡大が大きな要因だ。日本もドラッグストア市場を拡大するためには、調剤及び食品の更なる展開が必要だ。
米国のドラッグストア業界は合併による規模拡大がメインテーマだったが、最終局面に入っている。昨年ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(WBA)が誕生し、全米第3位のドラッグストアライトエイドが今年中にWBAに買収される計画だ。その結果WBAの店舗数は12,000店舗に膨れ上がる。つい最近WBAはPBM(薬剤供給管理会社)OptimRxと契約し、メールオーダーと同じCo-pay(自己負担金)でウォルグリーンの店舗で90日調剤を可能になった。一方全米第二位のドラッグストアCVSヘルスは前述のとおりディスカウントストアターゲットのファーマシー部門や、介護施設向け調剤卸の第一人者であるオムニケアを買収した。
他業態のドラッグストアビジネスへの参入は盛んだ。スーパーセンター業態のウォルマートやスーパーマーケット業態のクローガーやアルバートソンは、調剤や健康美容商品ビジネスにおいて大きなシェアを取っているのみならず、自店内のクリニックつまりインストアクリニックにも力を入れている。ウォルマートはインストクリニックでは全米最大企業になると宣言している。最近では、クローガーは栄養士を店内に配置して顧客のニュートリション相談に積極的に乗っている。特にスーパーマーケットは調剤、OTCそして健康食品として総合的なウエルネスを提供できる立場にある。ローカルドラッグのHy-Veeは「トータルウエルネス」を展開しており、店内に薬剤師、栄養士、ヘルスコンシェルジェ、シェフ、そしてインストアクリニックの看護師を配置している。CVSは健康を意識したBetter for Youフード(グルテンフリー、ラクトフリー、非遺伝子組み換え、低塩分、オーガニック食品等)に力を入れており、Grab-and-Goと呼ばれる即食(サンドイッチ、惣菜、カット野菜・果物等)を中心にした食品売り場は、ヘルスへのこだわりにより消費者の支持を得ている。カナダのNo.1ドラッグであるショッパーズドラッグマートは来店頻度の向上と売上アップを目的として生鮮食品の実験を始めた。今のところその実験は成功しており今後より強化していく方針だ。ライトエイドはビタミンに力を入れており、全米No.1ビタミンショップGNCと提携し店内の真ん中にビタミンコーナーを設置し、タッチスクリーンを置いてビタミン情報を得やすくしている。またビタミンアドバイザーも配置し、売り場案内、商品選択のお手伝いや薬剤師への橋渡し役をしている。しかしドラッグストアにとって一番重要な部門はファーマシーで、質の高いヘルスケアの提供及び医療費の抑制の観点から今まで以上にその役割は期待されている。例えば1980年代〜90年代に誕生した8300万人のミレニアルズ世代の28%は、調子が悪い時医者に行かず自己診断し、36%は自己治療をしている。彼らは医師より一番アプローチしやすい薬剤師のカウンセリングを受けたがっている。そのため薬剤師は調剤カウンターの後ろから前に出てきて、ヘルスケアの相談に積極的に乗るように試みている。


【2015年度北米(米国&カナダ)ドラッグストア業界】
項目
実績
前年比
構成比(%)
 チェーンドラッグ売上
2980億ドル
+4.9%
75.5
 独立ドラッグ売上
967億ドル
+2.5%
24.5
 ドラッグストアトータル売上
3947億ドル
+3.0%
100.0
 チェーンドラッグ店舗当たり売上
11百万ドル
-
-
 チェーンドラッグ売上/坪
36972ドル
▲576
-
 チェーンドラッグ既存店売上伸長率
+3.2%
▲1.4%ポイント
-
 チェーンドラッグ税引き後純利益率
1.5%
+0.0%ポイント
-
 チェーンドラッグ店舗数 26996店舗 +1930店舗
26996店舗
+1930店舗
58.1
 独立ドラッグ店舗数
19497店舗
▲198店舗
41.9
 ドラッグストアトータル店舗数
46493店舗
+1732店舗
100.0
(資料) Chain Drug Review 4月号

調剤薬は相変わらずチェーンドラッグストアの売上げの約65%という強大なシェアを占めているが、調剤薬の利益率が非常に減少しているため、ドラッグストアは利益の確保のためにOTC、ビューティーケア、消耗品やジェネラルマーチャンダイズ商品に力を入れている。最も大きな伸びを示したのは4.9%の構成比を持つ消耗雑貨で、去年の2.2%の構成比から倍強になった。これは郊外より便利な街中に住む人の増加により、便利性の強いドラッグストアが消耗雑貨を購入するのに最適な場所になってきているからだ。OTCは調剤薬に次ぐ約11%の売上げ構成比を持ち、ドラッグストアの核商品である。今後ますます重要性が増すのは、セルフメディケーションの更なる促進が予測されているからだ。今まで以上にドラッグストアで相談や情報を得ながら購入したい顧客のために、今後増加する慢性疾患(糖尿病、喘息、心臓病など)の為の充実した売り場が期待されている。この4〜5年伸び続けた食品シェアは、昨年は一服して1.2ポイントシェアを落とした。しかしOTC&ヘルスケアに次ぐシェアを持ち、来店頻度向上に大変貢献している。食品部門ではヘルスケアストアらしくヘルシーフード(グルテンフリー、低塩分、非遺伝子組み換え食品)やオーガニックに力を入れている。それは1946年から1964年の間に誕生した75百万人のベビーブーマーのみならず、前述のミレニアルズの人々が、大変ヘルシーライフを追求しており、食べ物にも強い関心を持っているからだ。


【2015年チェーンドラッグストア商品構成】
 部門
売上金額
(百万ドル)
構成比
(%)
前年比
(ポイント)
 調剤薬
1928
64.6
+0.3
 OTC&ヘルスケア
316
10.6
▲0.7
 パーソナルケア
155
5.2
▲0.7
 化粧品/フレグランス
89
3.0
▲0.3
 HBCカテゴリー小計
2488
83.4
▲1.4
 フード
286
9.6
▲1.2
 消耗雑貨
146
4.9
+2.7
 ジェネラルマーチャンダイズ
48
1.6
+0.0
 事務用品/学校用品
15
0.5
+0.0
 非HBCカテゴリー小計
495
16.6
+1.5
 合計
2983
100.0
-
(資料) Chain Drug Review 5月号)

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