アメリカのドラッグストアを検証し、日本のドラッグストアにあう多彩なプログラムを提案します
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 総務省統計局の発表によると、日本の人口は2015年8月1日現在12,690万人で、そのうち65才以上が3340万人(構成比は26.7%)で、4人に1人以上がシニアで占められている。65才以上はその後も増え続け2060年には4割に達すると予測されている。彼らにとっての一番の願望は「健康(ヘルス)」だ。最近よく耳にする「健康寿命」とは、2000年世界保健機構(WHO)が提唱した概念で、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活出来る期間」と定義された。
今の日本人の健康寿命は、男性71.2才、女性74.2才だ。健康寿命と平均寿命の差は男性で9.0才、女性で12.4才もあり、この差が「不健康な期間」になる。
その大きな要因として、生活習慣病が関係している。生活習慣病とは、「食習慣や運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が、その発症や進行に関与する症候群」だ。厚労省によると生活習慣病は一般的に糖尿病、脳卒中、高血圧、心臓病、高脂血症、肥満の6つを指す。日本人の3大死因は1位「がん」、2位「心疾患」、3位「脳血管疾患」だが、これら全てが生活習慣病と関わっている。生活習慣病対策や筋肉や関節の衰えを防ぐことが、健康寿命を延ばすために重要となっている。2013年6月に閣議決定された「日本再興戦略」で「国民の健康寿命延伸」が明記され、血液の簡易検査や食品の機能性表示制度のように、政府のバックアップをもらった健康寿命延伸ビジネスが大きく羽ばたこうとしている。

2015年4月1日「機能性表示食品制度」がスタートしたが、今回の制度の対象となるのは加工食品、生鮮食品、そしてサプリメントと幅広い。トクホ、栄養機能食品に次ぐ効能をうたえる機能性表示食品の登場で、健康食品及びサプリメント市場の拡大が期待される。今までは国から「トクホ」の認定を受けなければ、「強い骨をつくる」といった効果を商品に記載出来なかった。今回の食品の機能性表示制度は、米国で1994年に導入されたDSHEA(ダイエタリーサプリメント健康教育法)制度を非常に参考にしている。DSHEAが導入されてから2012年までに米国のサプリメント市場は4倍の324億ドルに拡大した。その要因として、使用者が総人口の50%から65%に拡大したこと、商品数が約4000から約55000に増加したことにより、品揃えが充実したことが挙げられている。日本の健康食品市場規模は約2兆円だが、米国同様に市場が拡大して将来的に6兆円の市場になると予測されている。

日本における健康食品未使用の理由調査では、「価格が高い(53%)」、「効果に疑問(50%)」、「どの商品を選択したらよいか分からない(35%)」がトップ3で、市場拡大のためにこれらの解決が必要だ。
今後日本の健食市場が成長するために、サプリ先進国の米国の状況を参考にして欲しい。
なにしろ米国人の2015年年初の5大決意の一つは、健康生活を送ることであった。その健康生活をビタミンの摂取、健康的な食事、運動、充分な睡眠で成し遂げようとしているが、サプリメント摂取はそれほど重要な事柄になっている。

 


a) 健康志向の高いカスタマーで、サプリの購入者の55%は「自分は大変健康」だと思っている
b) 服用理由は「一般的健康を維持」が圧倒的一位で「免疫力向上」「エナジー」と続いている

【サプリ摂取の理由】(複数回答)
目的
目的
 1)一般的健康維持
83
 7)骨の健康
22
 2)免疫力向上
45
 8)筋肉
16
 3)エナジー/メンタル
38
 9)睡眠
15
 4)胃腸の健康
25
 10)関節
12
 5)心臓の健康
23
 11)アレルギー
11
 6)減量
22
-
-
(資料)Walgreen 

c) サプリメント素材
マルチビタミンが1位、プロテインが2位、ダイエットや低栄養改善(代表商品例:エンシュア)のミール・リプレースメントが3位を占めている。「ロイヤルゼリー」「青汁」
「クロレラ」がトップ3の日本とは大きく違い、日本の市場に今後のヒントを与えている。

米国
1
 マルチビタミン/ミネラル
25
2
 プロティン
14
3
 ミール・リプレースメント
14
4
 魚油
7
5
 ビタミンB
7
6
 カルシウム
6
7
 ビタミンC
5
8
 ホメオパシー
4
9
 グルコサミン/コンドロイチン
4
10
 プロバイオティクス
3
11
 ビタミンD
3
12
 CoQ10
2
13
 マグネシウム
2
14
 Bカロチン
2
15
 ビタミンE
2
(資料)Justac, Inc.

d) 購買頻度
毎月一回以上(1回 + 2~3回 + 週一回以上)の人が50%以上。継続性の強い商品性格のため、お店のロイヤルカスタマー創りに貢献している。


【ビタミン・ミネラル・サプリメントの購買頻度】
頻度
頻度
 1)2〜3ヶ月に1回
37.4
 4)6ヶ月に1回
7.6
 2)毎月
34.4
 5)1週間に1回以上
4.3
 3)毎月2〜3回
13.7
 6)年に1回
2.5
(資料)CDR 

e) 定期的購入場所
ウォルマートやターゲットのディスカウントストアが1&2位を占めているが、購入する時低価格を重んじている姿が浮き出ている。3及び4位はドラッグストアのトップ2だが、ヘルスに対する専門性と便利性が利用の大きな要因に思える。スーパーマーケットが5位だが、サプリコンス―マーの41%はフレッシュフードを同時購入するため、その人たちにとってスーパーは同時購買が出来て便利だ。アマゾンが7位にいるが、リアル店舗にとっての脅威だ。

場所
場所
 1)ウォルマート
52
 7)アマゾン
19
 2)ターゲット
50
 8)サムズ
16
 3)CVSヘルス
33
 9)自然食品店
16
 4)ウォルグリーン
31
 10)コストコ
14
 5)スーパーマーケット
30
 11)ライトエイド
9
 6)ビタミン専門店
26
 -
-
(資料)CDR 

f) サプリメント品購入時に影響する要因
「価格」「プロモーション」がトップ2だが、消費者はお得感を求めている。3番目に「効き目」があるが、「効き目」は当然あるものという捉え方のため3位に甘んじている。

要因
要因
 1)価格
52
 5)パッケージサイズ
19
 2)プロモーション
50
 6)フォーミュレーション
16
 3)効き目
33
 7)ブランドネーム
16
 4)成分の混合
31
 8)パッケージの開けやすさ
14
(資料)CDR 

a) 定番
ドラッグストア、スーパーマーケット、そしてディスカウントストアにはヘルスケアコーナーが作られているが、その中でサプリメントは薬剤師などと相談しながら購入したい傾向が強いため、調剤室のそばに配置されている。棚割りは、ネイチャーメイドのような強いブランドはひとまとめにされたブランドファミリー陳列をし、その他のブランドは「Eye Health」「Joint Health」「Heart Health」「Men’s Health」「Women’s Health」「Children’s Health」「Sports」等の機能・用途別に分けられ、商品のヘルスベネフィットが分かるように陳列されている。そしてプライベートブランドはNo.1ブランドの右側に比較陳列して安さの訴求を徹底している。
b) クロスMD
サプリメントは飲む化粧品としての位置付けでビューティーケアコーナー、スポーツケアコーナー、低栄養改善のためにホームヘルスケア(介護・看護)コーナー、そして食品コーナーにクロスMDが積極的にされている。
c) セールスプロモーション
お買い得感を求めるカテゴリーの性格からか、「Buy One, Get One Free(1個購入すると2個目無料)」が多い。面白いのはウォルグリーンのロイヤリティプログラムだ。2012年に導入したこのプログラムは、登録会員数が8200万人を超え、小売業において最大の数になった。フィットネスやエキササイズをポイントに連動している。例えば、「フィットビット」などのウエラブルディバイスをウォルグリーンにリンクさせると250ポイント、ウォーキング1マイルに付き20ポイント、設定ゴールを達成するたびに250ポイントが付く。また体重、血圧、血糖値、睡眠、血中酸素飽和度の測定は指定されたディバイスでリンクするとポイントが付く。これはエキササイズを定期的に行う人やヘルスチェックを定期的に行う人は、ウエルネスに大変関心が強くサプリの購入額が高いため、このようにしてウエルネスの関心を高めてサプリの購入を促す方策をとっている。
d) 情報提供
情報提供は使用する一人一人に合った商品選択が重要だ。そのため成分検索ブック、商品パンフレット、デジタル情報、そして薬剤師や栄養士(特にスーパーマーケットで)からのアドバイスやヘルスガイドが顧客の商品選択の手伝いをしている。ヘルスガイドは最近ドラッグストアが取り入れたやり方で、OTCやサプリメント売り場で商品選択をするのに困っている顧客を手助けしている。
今後健康食品市場の成長と小売りチャネル(健康食品の小売りチャネルシェアは、日本では23%程度だが、米国では約70%)へのシフトの可能性により、ドラッグストアにとって大きなビジネスチャンスが待っている。

 

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