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これまでも何度か購買点数の増加策について述べてきたが、今回はさらに追加して各小売業が実施している方法を紹介しよう。


比較的短期間陳列の関連陳列と違い、クロスマーチャンダイジングとは、他のカテゴリー売り場に定番として売り場を確保することを指す。例えば、ジョンソン・ベビーローションをベビーコーナーと大人のスキンケアコーナーに陳列、タバスコを調味料コーナーとピザ・パスタコーナーへ陳列、ガムをレジ前のガムコーナーとオーラルケアコーナー、ビタミンCをビタミンコーナーと化粧品コーナー(美白効果から)へ、低栄養改善商品を介護売場と健康食品や普通の食品売り場に陳列するという具合だ。
面白いことに、ウォルグリーンの店舗では胃腸薬が薬売り場と化粧品売り場に、ビタミンCがビタミンコーナーと化粧品売り場に陳列されている。胃腸の働きを良くして、健康的なお肌を保つためとか、白い肌に役立つビタミンCという考えからだ。忙しい人の増加やシニアの増加で、売り場全体を歩く人が減少している。特にスモールバスケットショッパーと呼ばれる購買点数が低くクイックショッピングをする顧客が増え、その人たちは店全体の売場の1/3にしか行かないと言われている。そのため、お客の使用場面を想定して関連する商品を定番として配置することが必要になっている。実際に米国のスーパーマーケットやドラッグストアでは、オリジナルの売り場より、クロスマーチャンダイジングの売り場の方で売れている商品が出てきている。例えば、タバスコは調味料コーナーではお店の3割しか売れず、ピザ&パスタコーナーで7割売れている。シニア向けバランス食品は介護コーナーより食品売り場の方が売れ、ベビーローションはベビーコーナーより大人用スキンケアコーナーの方が売れている。


通販のサプリメント会社のカタログを見ると、組み合わせ販売をよくやっている。それも無関係な商品の組み合わせではなく、両方摂取した方がより効果が高いと思われる商品を組み合わせ、その上ディスカウントしているから、消費者はどうせならと両方購入する。一例をあげてみよう。血糖値高めの人は血圧も高めのことが多い。そこで、血糖値を下げるサプリと血圧を下げるサプリの両方を購入すると、通常8295円のところを7100円にする。さらに、血圧の高い人は塩分の摂取を抑えなければならないので、体内塩分をコントロールするサプリのまとめ売りで、通常6300円のところを5300円にする。また、血糖値の高い人は運動不足のことも多いので、血糖値を下げるサプリとエネルギーを発散するのに効果のあるサプリをまとめ売りし、1750円もお得な価格を提供する。こうすれば、問題解決に役立つ商品を組み合わせることでお得な価格になるから、お客はまとめ買いをする。店の買い上げ点数も向上する。スーパーマーケットのラルフスでは、ベビーの紙おむつを購入する顧客で、粉ミルクやベビースキンケアを購入していないなどのケースを見つけ、そのような顧客にクーポンを提供することによって、自店での購買をしてもらえるように仕向けている。顧客が粉ミルクやベビースキンケア商品を購入していないのは特別な理由(わけ)があるからではなく、ただ習慣的にそれらの商品を他のお店で購入しているということが多いからだ。また組み合わせ販売を米国ではペアリング販促と呼んでいる。相性のよい商品同士を組み合わせてお安くすることにより、購買点数を促進しているのだ。例えばステーキと赤ワインの組み合わせ、鮮魚と白ワイン、シニア向け歯磨きと歯ブラシ、シャンプーとトリートメント、大人用紙おむつとバランス食品、子供用おむつと粉ミルク、ベビーローションとベビーシャンプーという具合だ。このように同じカテゴリー内の場合とカテゴリーを越えて実施している場合がある。


売り場レイアウトでは、買い物のスタート時と中盤には判断力を要する商品を配置し、終盤になるほど判断力の要らない商品を配置することが大切だ。人間の買い物意欲は、時間の経過とともに低減する。疲労で集中力が欠如したり、時間に追われるなどして、脳の判断力が低下していくからだ。従って、買い物の初期・中期には判断力を要とする商品にスペースを与える必要がある。例えば、嗜好性の強いもの、化粧品、ファッション商品、青果・生鮮の提案陳列、テーマ陳列、あるいは季節商品、価格の高い商品(入り口近くに置くと敷居の高い店になるので注意)などである。
業績不振のドラッグストアを見ると、入り口からその店の主力商品ではないディスカウント商品のトイレットペーパーや洗剤、食品が置かれていることが多い。これらはお客の判断力を必要としない商品だ。そして、肝心の判断力を必要とする主力の化粧品や薬を買い物の終盤に配置しているから、その時点ではお客の買い物意欲はすでに減退しているから関心を示さなくなっている。日本の某ドラッグ企業の郊外店が成功していないので、その原因を探りに行った。第一主通路はカップラーメンや冷凍食品のオンパレードで、その企業の得意の化粧品コーナーが、買い物の終わりの方に配置されていた。レイアウトに基本的な問題のあることが発見された。米国のドラッグストアでは、主力商品のビューティーケアを第一主通路、調剤を中心としたヘルスケアは第二主通路、補完商品の食品は売り場の最後の第三主通路に配置されている。ウォルマートでも、利益率の高い女性用アパレル、子供用アパレルを売り場の最初に置き、買い物の中盤に宝飾品を配置している。


レジスター・リワード(レジでのご褒美)の一つに、特定の商品を購入するとレジで次回同じ商品を購入する際に使える割引クーポンを渡す方法がある。私が体験した具体例を話そう。ある時ウォルグリーンで、ニュートロジーナのスキンクリームを2個購入した。通常25ドルの商品が、2個購入したことで、5ドル引きになっていた。さらにレジで、次回同じ商品を購入する場合1個10ドル引きになるクーポン券を渡された。次回、実際にそのクーポンを使うと、25ドルから10ドル引いた15ドルで購入出来た。結果として〔(25ドル×2)−5ドル〕+ (25ドル−10ドル)= 60ドルで、3個購入して60ドル支払ったことになる。定価で購入すると25ドル×3個 = 75ドルだから、15ドル引きつまり20%引きで買えたわけだ。何故このような面倒なことをするかというと、今の客は節約志向だから20%引きでも1個しか購入しないし、おまけに来店頻度も低い。そこで、レジスター・リワード販促プログラムの導入で、再来店を促す同時に複数購入を誘導しているのだ。

 


水虫はなかなか完治しない厄介な皮膚病だ。夏に多い病気で、夏というピークシーズンを乗り越えるのに、水虫持ちの人は水虫薬を2本使用している。そこで某ドラッグストアの店長は、必要数2本の需要をうまくビジネスに生かせないかと考えた。「今なら○○水虫薬を2本まとめてお買い上げ頂くと、2本目30%引き」というPOPと、その隣に「水虫の方は夏の水虫シーズンを乗り切るのに1.8本の水虫薬が必要です。お安くなっている今2本まとめてお買い上げになりませんか?」という「ご存知ですか?」POPで啓蒙した。その結果、人々は「そうか、それなら2本目が安い今買っておこう」と購入し、売上げ個数は前年比2.5倍以上アップした。競合店は、商圏内の水虫持ち客の一夏の必要数を相当量先取りされ、売上げが不振だった。このように、シーズン商品は需要の先取りをする販促を打つことが競合対策上非常に有効だ。

 

 

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