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小売店やメーカーは特別に売りたい商品やブランドがあるときは、その商品に顧客の目を引き付け、納得させて購買に結び付ける努力をしている。店頭で展開されている具体例を挙げてみよう。


試食や試飲はネット対策としてコストコやホールフーズマーケットでは常時行われ、店内ににぎわいを作っている。大人気のトレーダージョーでは、店の奥に試食・試飲コーナーを設置し、従業員が常時配置されて、求める顧客に提供している。
家庭で使用する商品のサンプリングは難しい。それは、サンプリングで試供品を手渡ししているとき、ターゲット以外の人々に手渡されてしまうケースが多々あるからだ。パーソナルな性格の商品の場合は、手渡された人の気分を害して逆効果になるケースもある。実際に、中年女性向けのスキンケア商品のサンプルを渡された消費者が、私はそんな年齢ではないと気分を害したり、育毛剤のサンプルを渡されて、自分は髪の毛が薄くないと憤慨した人が結構いる。
高齢社会で、これから爆発的に市場が拡大する低栄養改善食品(高齢になると食が細くなることから、十分な栄養を取れない人達用の栄養食品)の新製品を出した米国のメーカーは、ターゲットとした人々にサンプルが届くように工夫した。店サイドの協力を得て、大人用紙おむつにサンプル引換券を貼付したのだ。ターゲットとした人々に確実にサンプル券が渡ってメーカーも満足したが、お客が引換券を持ってサンプルを取りに来店するので、店サイドもハッピーであった。


通常の店が提供しているポイントにプラスして、メーカーが販促対象商品に対し小売店にポイントを支援して提供するポイントアッププログラムは、対象商品の売り込みに有効だ。よく見掛けるのが、POPでこの商品は5倍ポイント対象商品ですと訴求しているものだ。ターゲットなどでは、商品を手に取り、モバイルでスキャンすると、それでポイントが付く試みも実施している。商品を見て、手に取ればそれだけ購買する確率が上がるからだ。ドラッグストアウォルグリーンでは、モバイル会員の中からターゲット客を選定し、その人に売り込みたい商品のクーポンを送ることを一部始めた。日本のコンビニでも、メーカーの支援で特定の商品をチェーンの電子マネーで購入すると、ポイントアップする販促を行っており、対象商品はよく売れる。


米国のスーパーやドラッグストアでは、特定商品の前にクーポン発券機が取り付けられているケースをよく見掛ける。チェーンの許可を得てメーカーが取り付けているもので、1枚クーポンを取ると、自動的に新しいクーポンが出てくる。クーポン発券機に赤いライトが付いているので、通路を歩いている人の目に留まり、商品にも目が行く。クーポン発券機のような機械を設置するのではなく、ドラッグストアのCVSでは単純にクーポンの束をひっかけているケースもある。少し乱雑な印象を与えるが、やはり消費者の目に留まりやすい。このようなクーポンプログラムは特定商品の訴求に有効だ。

 


小売業のユニットプライス制とは、グラム単価やリッター当りの容量単価など、一定の単位当りの価格を売価と一緒に表示する販売方式をいう。別名で単位価格表示制ともいう。米国では容量と値段が異なる商品を消費者が比較しやすいように、食料品スーパーなどで導入することを義務付けている。容量を少なくすることにより値段を抑えて、安いイメージで販売するやり方を取っているメーカーや小売業があり、こうした消費者をだますような行為を防止するために義務付けられたものだ。
ナショナルブランド(NB)がプライベートブランド(PB)に対抗するために、増量パックや大型サイズを導入することが多々ある。そのとき、グラム当りやリッター当りの価格比較を示すことにより、PB製品との価格差が余りないことを訴求している。また競合商品より量が多かったり、サイズが大きかったりするために価格が高めになる商品の場合、グラム当たりの値段を強調することにより価格における魅力も訴求している。


ジョンソン・エンド・ジョンソンのベビーローションの売上げがある年から数倍伸びた。それまではベビーローションをベビーコーナーのみで販売していたのだが、敏感肌の大人も多くなった今日、その人たちにも適していると考え、「赤ちゃんに優しいジョンソンベビーローション!大人の肌にも優しい!」のコピーでテレビCM、雑誌広告で訴求し、大人のスキンケアコーナーの売場にも陳列したところ、これが見事にヒットし、売上げが数倍に拡大したのだ。このように視点を変えると売れ行きが伸びることがよくある。
某メーカーのコロコロ粘着テープも、もともとは犬や猫の抜け毛掃除用に開発された商品だが、花粉症シーズンに衣服に付いた花粉を取る器具として訴求したところ、やはりヒットした。


マスメディア広告、チラシそしてPOPに有名人や権威者の声を載せることがよくある。マーケティングの世界では「テスティモニアル」という。著名人に商品の良さやステータスを語らせ、消費者に安心感と憧れを感じさせる手法だ。
ケリードラッグでは、この手法をよく使う。例えば「薬剤師が薦める大衆薬」というコーナを設け、季節の需要に応じた商品を陳列する。リーチ歯ブラシを市場に導入した時には「歯医者さんが開発した歯ブラシ」とうたって大成功した。
有名人が好んで飲むワイン、某有名タレントが使用しているスキンクリームといったPOPを商品に付けている店もある。これらの人々の名声を活用して消費者の信頼を獲得しようとしているのだ。お客は買い物をするときに何らかの判断材料が欲しい。有名人が使っているとか薦めているからというのも一つの判断材料として効果が高い。


膨大な種類のあるワインはラベルを見てもテイストが分からず、詳しくない人は選択に迷う。そんなとき、権威ある人の評価やどれが売れているのかなどの判断基準があると非常に助かり、ついつい買ってしまう。
リカーショップやスーパーマーケットで最も多く使われているのが、パーカーポイントの表示だ。これは世界で最も有名なワイン評論家ロバート・M・パーカー氏による評価で、50点を基礎点として、価格に関係なくさまざまな観点から評価して点数を積み上げ、100点満点で表すものだ。公平な評価として世界的に認められており、ワインの選択には不可欠のものとされている。
また、米国で最も売れているワイン専門誌「ワイン・インスペクテイター」誌も100点満点でワインを評価している。こちらでは価格とのバランスも考慮される。毎年年末には世界のワインTOP100を誌上で発表するが、同誌の評価は世界的に大きな影響力を持ち、その評価をPOPにしてお薦めワインに付けるところもある。
店舗で売りたいワインがあるときは、赤ワイン、白ワインそれぞれの売れ行きトップ10を発表するのも効果的だ。


個人の行動は個人の価値観や信念などによって決定されるだけでなく、個人が何らかの関係を持つさまざまな社会集団の影響を受ける。こうした個人の行動に影響を与える集団を「準拠集団」という。小売業の場合、お客は他のお客を準拠集団と捉え、他のお客の言葉を信じやすい。その心理を利用して行っているのが、試食した消費者の感想をそのままPOPに使用することだ。「最高にうまかったよ!」という言葉を写真付きでそのまま載せるので、購入しようと思わなかった人も思わず誘われて買ってしまう。お客をお気に入りの商品とともにパッチリ写真に撮って、お薦めコメントを頂いて店内掲示するプリクラサービスを展開しているケースもある。ウォルマートでは新製品を紹介するとき、パート従業員のお薦めを、その従業員の写真とファーストネームを入れて紹介している。最近では、ブログ、フェイスブックやツイッターの普及により、人々は自分と同じ立場の消費者の声に信頼を置き始めており、こうしたSNSの影響も大きい。

 

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