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米国の小売業は今急成長し、米国小売業ランキングで第10位に躍り出たアマゾンとの厳しい戦いにさらされている。かつては多くの小売業がウォルマートとの戦いで、生き残る道を模索していたが、現在はそれがアマゾンとの戦いでの生き残り策に腐心している。彼らが取り組んでいるいくつかの対策を紹介しよう

「ネットは価格競争、店舗は満足競争」という言葉が生まれたように、価格競争ではリアル店舗は店舗コストがかかる為ネットに太刀打ちするのが難しい。そこで彼らがとっている戦略の一つが「ロイヤルカスタマー創り」だ。米国の小売業の殆どがロイヤリティーカードを発行し、ロイヤルカスタマー戦略を取っている。高級百貨店ブルーミングデールはロイヤルカスタマーをロイヤリストと呼び、「Loyallist」というプログラムを組んでいる。その特徴は、@ブルーミングデールの店舗及びネットでの買い物は1ドルにつき1ポイントが付く Aブルーミングデールカード(クレジットカード)を利用しての買い物は1ドルにつき3ポイント B化粧品やフレグランスの買い物はダブルポイント Cセールによっては2倍〜3倍ポイントが付く。そして5000ポイントにつき25ドルのリワードカード(6か月間有効の買い物券)がもらえる。またアメリカンエクスプレスと組んでおり、ブルーミングデール以外での買い物は1ドルにつき2ポイントが付く。ここまでは今までのポイントプログラムと大きな差はないが、集めた顧客情報を分析し下記の事柄に活用している。

【顧客情報の活用により、商品中心からカスタマー中心の運営に変革】
1
商品中心
カスタマー中心
 商品開発
・ナショナルブランドの廉価
 PB商品の開発
・顧客ニーズのある商品アイテムの発掘と
  開発
 ストアフォーマット
・店舗フォーマットの平準化
・商圏別店舗フォーマットの決定
 レイアウト
・商品管理し易いレイアウト

・購買商品分析による買い易いレイアウトの
  決定

 顧客別のコミュニケーション
・チラシなどによる、どのお客にも
 一方通行の同じ内容提案
・顧客別の新製品情報、販促情報、カウン
  セリングの提供
 プロモーション
・前年度をベースにしたプロモ
 ション
・顧客セグメント別プロモーション
 商品管理
・商品別のベストカスタマー
・短期的な商品別売上額
・顧客ごとのベスト商品
・長期的なカスタマー別買い上げ額
 プライシング
・仕入れ額や競合との関連での
 価格設定
・カスタマーの価格センシティビティを
  ベースにした価格設定
・顧客別特別価格の提供
 品揃え
・売上額や利益率をベースに決定
・ベストカスタマーのニーズや商品の 
  嗜好性 から決定
 プラノグラム
・売上額/プライスポイント/
 メーカー・卸の推奨
・カスタマーの購買行動


現在米国で消費財メーカーは色々のセールスプロモーションを実施している。その中で、一時人気が落ちた「消費者クーポン」はリーマンショック後の不景気で人々がクーポンに再度関心を示すようになったため、小売業の方もクーポン販促に再び力を入れ始めた。年間80億枚程度使用され、消費者は50億ドル弱の節約につながっている。「90%の消費者は、過去6ヶ月にクーポンを使用経験」しており、「多くの消費者はショッピングをするときは必ずクーポンを使用する」と述べている。そのため、97%の企業が「クーポンプロモーション」を実施している。クーポンが小売業にとって良いのは、店頭価格であれば即座にアマゾンとの価格競争にさらされてしまうが、クーポンだとアマゾンも価格調整をしづらいし、顧客も価格比較がしにくい。クーポン販促をする際には下記の原則を守っている。

a) 1クーポン1企画
クーポンはシンプル・イズ・ベストで、一つのクーポンに色々な企画を入れると、顧客は分かりずらい

b) 有効期限を入れること
有効期限を入れると顧客の関心が高くなるが、入っていないといつでも使えるという気分になり関心が弱まる

c) 陳列場所に設置されるクーポン券器具
クーポン対象の商品のそばにクーポン券器具を設置すると、購入を迷っていた顧客の後押しをして購入に結び付く

そのような中webクーポンが増加している。新聞を取らない人の増加とインターネットの普及によって、紙媒体クーポンからwebクーポンへのシフトが進んでいる。「よりお得情報がwebに」とチラシに掲載してwebに誘導している。webクーポンのメリットは、印刷代がかからず且つ配送コストも安い低コストであることと、曜日・時間も自由に選べ、瞬時に発行できること、そして顧客情報の獲得だ。webクーポンの場合、メールアドレス・名前・年齢などを入れないとクーポンを利用できないケースが多々ある。集めた顧客情報によってピンポイントで各顧客の求めている商品やサービスを提供し始めている。
面白いクーポンの活用方法として、アフターホリデーセール後のクーポンの活用がある。クリスマスセール等大きなイベントの後は売り上げがかたっと落ちる。それを防ぐために、メイシーズやブルーミングデールなどの百貨店、ラルフローレンやH&M等の専門店では、12月25日から2週間位有効なクーポン券を配布し、暇な時期の来店促進と売上げ促進を図っている。アウトレットでもこの時期は安くされた商品を更にディスカウントするクーポンをネットで提供しており、ブランド店の売値の20%程度で購入できる。日常必需品を売るドラッグストアやスーパーマーケットも、ホワイトセールと呼んで、多くの商品がクーポンディスカウントの対象になっている。


米国では子供に愛されないお店はすたれるという言葉がある。子供(キッズ)はメーカーや小売にとって大変重要なお客様だ。何故なら子供はPIF、つまり「P = Preset Value(現在価値)」「I = Influence Value(影響価値)」そして「F = Future Value(未来価値)」を持っているからだ。
一番目は「P=Present Value(現在価値)」だ。よく子供は「6つのポケット」を持っていると表現されるが、両親・祖父母・叔父叔母などが、子供にプレゼントをするので思った以上に購買力を持っている。そして値段より自分の好みのものを購入するので利益が取れる。
2番目は「I = Influence Value(影響価値)」だ。家庭内で子供の意見がかなり力を持っており、家庭用の商品やサービスの購買に対してしっかり影響力を持つようになっている。そのため、子供が行って面白くない店は、子供の意見に従って親が店を出て行ったりするので顧客流失の要因になってしまう。東海岸を主戦場とするローカルスーパーマーケットウエグマンはその対策として、子供が楽しめる売場作りをしたり、子供がショッピング出来るように小さな買い物かごやキャラクターの付いたショッピングカートを揃え、玩具などのキッズ商品を充実させている。また母親がゆっくり買物できるように子供を預かる部屋がある。訓練された保育士が子供を預かっているが、3歳くらいまでの子供たちが大勢レジを出たところにある部屋で元気よく遊んでいる。また定期的に子供向けの映画を上映し、おやつと飲み物が用意されている。売り場の奥の天井の高さのところにはミニュチュアの電車が走っており、子供たちがそれを嬉しそうに見ている。子供たちにとってウエグマンというスーパーマーケットは楽しい場所であり、食品の買い物に子供たちがウエグマンを選ぶので、値段は普通のスーパーより高いが母親はそこで買い物をしている。スーパーマーケット・スチューレオナードでは、定期的に小学生を店に招待している。スクールバスで来た子供たちに店内を案内し、ミルクやパンの作り方、肉や魚のさばき方や惣菜の料理の仕方を見学してもらい、その後ベンチで美味しいランチが出される。お店の隣りはミニ動物園になっており、ヤギ・牛・鶏・七面鳥などと接することが出来る。駐車場の中では牛の人形が付いた車が走っており、子供たちはそれに乗って大喜びだ。またハロウィーンになると、仮装をして来店した子供はアイスクリームがもらえる販促をしている。忘れられない思い出になるだろう。子供にとってネットショッピングは全然楽しくないが、楽しい店舗は子供を惹きつけるから、子供を活用してお客を来店させている。
そして3番目は「F = Future Value(未来価値)」で、小さい時に慣れ親しんだものは大人になっても抵抗感なく食べたり、使用したりする。生涯客創りという観点からも子供を大事にして将来の客になってもらう計算だ。

 

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