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 日本チェーンドラッグ協会によると、(表-1)の通り日本のドラッグストアの2011年の売上げは5兆8千億円であった。そしていずれ10兆円業態に成長すると予測している。
【日本のドラッグストアの市場と将来】(表-1)
年度
売上高
(億円)
前年比
(%)
店舗数
前年比
(店)
 近い将来
100,000
-
30,000
-
 2010年
56,308
103.5
16,259
+288
 2009年
54,430
104.0
15,971
+346
 2008年
52,336
105.4
15,625
+241
 2005年
44,568
106.0
14,725
+377
 2003年
38,814
111.1
14,103
+760
 2001年
30,169
113.3
12,558
+771
(資料)日本チェーンドラッグ協会

 

 しかし、近年のドラッグストアの成長はかつての二桁という高い成長はなく、4%程度の低成長になっている。そして今後人口が減少する日本で、小売市場の成長性は期待出来ないどころか、マイナス成長になる可能性が高い。そのように市場が縮小する中でドラッグストアが成長するためには、今までのビジネスに捉われず、他の業態のビジネスを積極的に奪っていく革新的な商品戦略が求められている。
(表-2)は日本のドラッグストア、(表-3)は米国のドラッグストアの商品構成の現状だ。大きく違うのは調剤だが、米国では66.9%のシェアを持つのに対し、日本では8.5%程度の商品構成比しかない。米国のドラッグストアも1960年代は5%、そして1970年代は10%程度の調剤構成比しか無かったが、その後ウォルマート初め他の業態と戦うために調剤を核部門として位置づけ、各チェーンがいち早く全店のオンライン化、ドライブスルーファーマシーの展開、24時間対応の調剤、15分以内調剤などの便利性の強化と、カウンセリング力強化によって消費者の強い支持を得て売り上げを伸ばした結果だ。そして調剤の無いドラッグストアは、ドラッグストアとしての専門性欠如という理由から成り立たない時代になってしまった。日本も近い将来調剤の商品構成比が30%を占めてドラッグストアの絶対的核部門になる時代が来るだろう。現在ドラッグストアは(表-4)の通り調剤市場規模6.1兆円のわずか5.4%のシェアしか持っていない。逆に言えばそれだけ市場を奪える可能性が高いのだから、スピーティーな強化戦略が必要だ。
【2011年日本のドラッグストアの商品構成】(表-2)
分野
部門
(%)
位置付け
 ヘルスケア    
 調剤
8.5
核部門
 OTC
17.3
 その他ヘルスケア
2.4
 健康食品
3.0
 ベビー用品
3.2
 介護用品
0.1
 ヘルスケア小計
34.5
 ビューティーケア 
 化粧品
17.3
核部門
 その他ビューティーケア
26.6
 ビューティーケア小計
15.5
 コンビニエンスケア
 食品
15.7
補完部門
 Eコマース
 酒類
1.3
 コンビニエンスケア小計
17.0
 ホームケア
 日用消耗品
13.1
補完部門
 
 家庭用品
7.4
 
 その他
1.5
ホームケア小計
22.0
合計
100.0
 


【2011年米国チェーンドラッグの商品構成】(表-3)
部門
金額
(億ドル)
構成比(%)
 -
-
全体
調剤除く
 調剤薬
1594
66.9
-
 OTC/ヘルスケア
241
10.1
30.5
 コンビニエンスフード
222
9.3
28.1
 パーソナルケア
129
5.4
16.3
 コスメティック/フレグランス
69
2.9
8.8
 消耗雑貨
57
2.4
7.3
 ジェネラルマーチャンダイズ
54
2.3
7.0
 事務・学校用品
17
0.7
2.1
 合計
2383
100.0
100.0
(資料)Racher Press research


【2011年日本のドラッグストア商品部門別シェア】(表-4)
部門
市場規模
ドラッグストア
売上規模
売上構成比
(%)
ドラッグストア
シェア (%)
 OTC医薬品
1兆3,000億円
6,827億円
17.3
52.1
 調剤薬
6兆1,000億円
3,315億円
8.5
5.4
 ヘルスケア
5,300億円
947億円

2.4

17.9
 健康食品
7,100億円
1,184億円
3.0
16.7
 ビューティーケア
1兆1,000億円
3,670億円
8.3
33.4
 化粧品
2兆1,000億円
6,827億円
17.3
32.5
 ベビー用品
1兆1,000億円
1,263億円
3.2
11.5
 介護用品
8,300億円
39億円
0.1
0.5
 家庭用品
1兆1,500億円
2,920億円
7.4
25.4
 日用消耗品
1兆2,000億円
5,170億円
13.1
43.1
 食品(生鮮以外)
10兆円
6,196億円
15.7
6.2
 酒類
2兆円
513億円
1.3
2.6
 その他
-
592億円
1.5
-
(資料)HCIドラッグストア経営統計2012年版

 20%以下をシェアの低い部門と位置付けると、前述の調剤薬を筆頭に、ヘルスケア(17.9%)、健康食品(16.7%)、ベビー用品(11.5%)、介護用品(0.5%)、食品(6.2%)、酒類(2.6%)という分野が挙げられるが、これらの部門をより開拓していくことがドラッグストアの成長につながる。米国ドラッグストアの最近の動きには、デイリーリビング機能及びヘルスセンター機能の強化がある。米国の場合もガソリン価格の高騰、忙しい人の増加、シニアの増加により近くでの買い物志向が高まっている。加えて人々の郊外から街中への移住によって街中に人口が増えているためフードデザート(食の砂漠)状態が起きている。そこで、ドラッグストアが生鮮食品・冷凍食品・デリカ・サンドイッチ・寿司などのファーストフード、加工食品、リカー等の品揃え、バリスタを配置したコーヒーカウンター、ミルクシェークカウンター、ジューススタンド、イートイン機能等を提供することで、人々のニーズとマッチして喜ばれている。昔の米国のドラッグストアにはソーダファウンテンコーナーがあり、そこで冷たいコーラ、アイスクリームシェーク、スープ、サンドイッチ、ホットドッグなどを食べるイートイン機能があった。スリフティ出身のライトエイドはアイスクリームが有名で、老若男女が自分の好きな量をカップに入れてもらい食べている。ニューヨークのデュエンリードではスターバックスの客を奪うために、焙煎したてのコーヒーをカウンターで飲んだりランチタイムにサンドイッチを食べられるようになっている。また街中店ではビールやワインを店内で飲める機能を提供している店も出始めている。
日本でも高齢化の促進や東日本大震災後の消費者の買い物行動の変化が顕著で、近場での買い物が好まれている。コンビニエンスストアは惣菜や野菜などの生鮮食品を提供することによって、主婦やシニアの人々の需要をしっかりつかみ絶好調だ。
ドラッグストアでもデイリーリビング機能の強化が必要な時代が来ている。
またヘルスセンター機能の充実ということで、単なる調剤薬の提供のみならず、店内へのクリニックの導入、ヘルスチェックの実施、スペシャリティーファーマシー(エイズ・がん・ホルモン異常症・臓器移植等難病患者用)機能、インフュージョン・酸素の提供、ホメオパシカテゴリーの導入、眼鏡・補聴器の提供、ヨガ・マッサージ機能、健康相談・栄養相談等も行い、ヘルスケアのワンストップショッピング機能を強化している。ビューティーケアでは、百貨店の不振により流出した顧客を確保するために、ビューティーケア部門をアップグレードし、高級ラインの化粧品を取扱い、ヘアサロン、マニュキュア、エステ機能を店内に取り入れ始めている。
下記の表は米国某ドラッグストアがラインロビングするに当たり候補カテゴリーをリストアップしたものに筆者が手を入れた表だ。ヘルスケア、ビューティーケアケアは言うまでもなく、カンフォート(快適生活)やエンジョイメント(ゲーム機器の導入)の分野まで広げてラインロビング構想を練っている。
 
健康・美容の専門性
便利性


【ヘルス分野】

クリニック・医薬品・漢方薬・ホメオパシー・サプリメント
・健康食品・マッサージ・鍼灸・整体・フットケア
・リフレクソロジー・オーラルケア・スポーツケア
・介護/看護ケア・ヘルスチェック・ベビー用品
・キッズ用品・ヨガ・メンタルケア・ヒーリング
・体質改善・免疫療法・ダイエット・アロマセラピー
・眼鏡・補聴器・スポーツジム


【デイリーリビング分野】

「食品」・・・ 生鮮食品・一般食品・デリカ・寿司
・菓子・リカー・ファストフード・コーヒーショップ
・ジューススタンド・アイスクリームスタンド
「家庭・日用品」・・・ ガーデン用品・ペット用品
・オフィス用品・生花・書籍・DPE
・ミュージック&ビデオ・ワンプライス用品
「サービス」・・・ バンキング・郵便局機能
・宅急便取扱い・公共料金支払い
・クリーニング取扱い・服/靴修理・街の便利屋
・チケット販売・メールボックス・プロパンガス
・携帯/スマートフォン・ガソリンスタンド・ロタリー


【ビューティー分野】

化粧品・エステチック・メーク・ヘアー・マニキュア
・ダイエット・整形美容


【エンジョイメント分野】

ゲームセンター・旅行・服飾雑貨
・ファンシーグッズ・ホームファッション
・宝飾品・ウォッチショップ・手芸・趣味/教養クラス

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