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米国の小売業でレジ前売り場が見直されている。彼らの悩みは来店客が店全体を回遊しなくなったことだ。それは、忙しい客や高齢者の増加、決まりきった売り場と絞り込まれ過ぎた品揃えでワクワク感が期待出来ないこと、大き過ぎる売り場で買い物に時間がかかること等々のためだ。ドラッグストアなど小売業の店作りは、顧客を壁面の第一磁石から主通路突き当りの第二磁石へ誘導し、エンドの第三磁石とゴンドラ内の第四磁石を使って購買単価を上げてもらうというストーリーで構成されている。しかしどんな立派な売り場を作っても、お客は期待通りにその売り場に足を運んでくれないのだ。ところが、「レジ前売り場」は100%の顧客が通ること、高い面積当りの生産性(売上高・利益高)があること、レジ待ちの間に商品やPOPに目をやる時間があるため衝動購買性を起こし易いことから、「レジ前売り場」が再度ハイライトを浴びるようになった。そして今、ゴンドラエンドや島陳列と並んで第三の磁石の一つとして扱われ、売り上げ・利益目標を作り、レジ前売り場管理者が目標達成のために各バイヤーと協働で活動している。
日本の小売業に目を向けてみよう。このゴールデン売り場に対して、売上・利益目標の明確化、レジ前売り場責任者の任命等、エンドや島陳列と同じような重要性を持って、レジ前売り場を作っている小売業が一体どのくらいあるだろうか?いったん陳列される商品が決まると、あとは年中そのまま同じ状態で続けられているのが現状だ。レジで待っている間は暇だから何か買いたい気分にさせてくれればいいのに、習慣的に商品を埋めているだけの雰囲気が漂っていて買う気が起きない。最高の場所であるレジ前が、担当者不在で商品改廃もされないままおざなりな場所になっているのが現状だ。
米国No.1のドラッグストアウォルグリーンでは、レジ前陳列を上手に行っている店は平均的な店と比較して36%も高い売上げを示しているという。彼らのレジは通常レジ、調剤室レジ、化粧品コーナーレジ、そして写真コーナーレジと4カ所に分けられている。そしてレジ前はエンドと並ぶ第3のマグネット(磁石)売場と位置づけられ、店の売り上げの5%を上げることを目標としている。そして目標を達成するために、レジ前を専門に管理する担当者を任命し、食品30%、雑貨30%、その他40%という構成比で陳列され、カテゴリーの枠を超えてレジ前を管理できる仕組みにしている。
通常の小売業のレジ前売り場の品揃えには、「認知度があり売る力があること」「粗利益が十分取れること」「回転率が比較的あること」の3つの基本条件があり、次の事柄を満たす商品の陳列により顧客の思い出し購買や衝動購買を誘っている。


レジ前に置かれる商品は目的買いでなく、衝動買い商品が向いている。「アッ!これを買っておかなければ」「面白そう〜」と思わせる商品の陳列だ。レジ前に合わない商品とは、すでに買い物カート(かご)に入っている可能性の高い商品(特売商品、チラシ商品、PB商品)、単価の高過ぎる商品、目的買い商品、認知度の低い商品等だ。


店舗のターゲット客を明確化し、それらの人々に適した商品の品揃えをする。米国のドラッグストアの場合、街中、オフィス街、住宅街の客層を考えて、街中の観光客が多い店舗では、定番的なレジ前商品だけでなくお土産品を、オフィス街では口臭予防ペパーミント、歯のホワイトニング商品、眠気防止商品等を、また住宅街店では家庭用品をというように品揃えが変えられている。


レジには稼働時間の違いがある。常時開いているレジとピーク時しか使用されないレジがある。常時開いているレジと時間限定のレジでは客数に大きな違いがある。スーパーマーケットの場合、ピーク時の夕方に開けるレジでは、夕方から夜にかけて必要な商品を揃える必要があるし、また青果売り場寄りのレジより惣菜売り場寄りのレジ前(働く女性が活用する率が高いので、価格志向より便利性志向が高い)には高価格商品を配置する。


人間はいつも同じものを見るとマンネリになり、関心を示さなくなる。レジ前売り場も同様で、折角のゴールデンスペースもいつも同じ品揃えだとお客は関心を払わなくなる。昼用、夜用、雨の日用、雪の日用、熱い日用、寒い日用など、環境の変化に対応できるように可動式レジを採用するところも出てきている。マンネリを避けるために価格が40ドル位する高額商品でも、ホットな新製品の場合は積極的に陳列して人々の関心を惹いている。日本の場合も、福島の原発事故以来7千円もする家庭用放射測定器がスーパーのレジ前に陳列され人々の目を奪っていた。


常温商品にこだわらず、日常商品を積極的に陳列する。冷たい清涼飲料水やアイスクリーム、温かいドーナツやホットコーヒー&ティーの温冷用ケースがレジ前に並び、人々に衝動買いを促している。レジ前は常温商品という意識を捨てるべきだ。
品揃えされた商品の回転を速めるためには、「うんちくPOP」が効果的だ。人間待っている時間は退屈なものだ。うんちくPOPは待つ間の苛立ちを解消するのに役立ち、且つ衝動買い性向を高める。その場合印刷POPより手書きPOPの方が向いている。

最近の米国小売業で目についたレジ回りサービスを紹介しよう。

ウォルマート、スーパーマーケットやドラッグストアでは数年前からセルフレジを導入している。人件費の抑制と、スピーディーにレジを終えたいという顧客の便利性から導入された。東海岸のスーパーマーケットのストップ&ショップでは、お客は入口のところに置かれたスキャナー貸出台から機器を取り出し、購入した商品をその都度自分でスキャンして専用のレジに行くと、購入した商品の合計がすでにされていて請求金額を支払うだけという非常にスピーディーなサービスを提供している。


レジを待つ人の公平を図るために、客を1列に並ばせ、空いたレジに順番に送る方法が一般的になっている。ホールフーズマーケットでは、アルファベット順に顧客を配列し、テレビ画面とアナウンスでどの配列の顧客が、どの空いたレジに行けるかを案内している。多くのドラッグストアはクイックサービスがモットーの為、お客が3人並ぶと新しいレジを開くようになっている。


興味深いのは、スーパーマーケット・ウェグマンで「ノーキャンディー・レジ」を設け、キャンディーを子供の目に触れさせたくない母親用のレジを設けていることだ。スチューレオナードでは、レジの上にTVを置きニュースなどを流したり、レジ待ち客の列が長くなった時、従業員が食べ物のサンプリングをしながら会話をすることによってレジでのイライラ感を和らげている。ターゲットでは、客のいないレジでは従業員がレジブースから出て売り場サイドに立ち顧客を誘導している。またレジ待ちで並んでいる顧客を空いているレジに導くとき、従業員がレジから出て顧客の買い物かごや商品を持って誘導している。後ろに並んでいる他の客が割り込んでこないようにするためだ。トレーダージョーのレジではアロハシャツを着た陽気な従業員が「今日はいい天気ですね」「昨日のUCLAのフットボールは良い試合だった」とか必ずお客に声をかけている。また店によっては有名な道路の名前(マーケットストリート、バンネス通りなど)を各レジに付けて、ローカル意識を高めている。

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