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2010年度の小売り調剤薬市場の成長は殆どなく、わずか2.0%増の2664億ドルであった。以前の2桁成長から見ると非常に鈍った。調剤薬市場鈍化の要因として、人々が節約志向から医者離れを起こし結果として調剤薬の需要が少なかったこと、スイッチOTCの促進が進んだこと、ジェネリックの使用率が77%と上昇したこと、カナダやメキシコなどでの廉価購買、海外からの偽薬の普及などがあげられている。そのような低成長の中、重度のリュウマチ、がん、臓器移植、ホルモン異常症、小人症、HIV等向けのスペシャリティドラッグは12%の大きな成長を続けている。
調剤市場のトップ業態はチェーンドラッグの40%のシェア、それに独立ドラッグの16.8%を加えたドラッグストア業態では約57%のシェア、メールオーダーが23.5%、スーパーマーケットとマスマーチャンダイザーが10%ずつという構造だ。
調剤薬の世界で今大きな変化が起きている。テクノロジーの発達により調剤の各種プロセスがデジタル、オンライン、モバイルそしてウエブベースのコミュニケーションに向かっており、ドラッグストアにとってマーケティング活動、患者との双方向コミュニケーション、そしてサプライヤーとのコラボに大いに役立っている。医師からの処方箋は紙でなくEスクリプトと呼ばれるテクノロジーで送れるし、リフィルの場合、リフィル時期のお知らせ、ネットでの注文、リフィル薬が準備できたことのネット、ボイスメールやテキストが出来る。ウォルグリーンはiPhone、Android、Blackberryなどのモバイルアプリケーションを開発した。これらのアプリケーションにより百万人以上の利用者がウォルグリーンとテキスト連絡することが出来る。例えば患者は調剤薬容器のバーコードを写真取りし、ウォルグリーンに送ればリフィル調剤が出来上がる。また患者はスマートフォンを利用してウォルグリーンのウエブサイトに入り、商品の購入、ヘルスリスクの評価や調剤薬の情報を得ることが出来る。また米国のドラッグストアは効率化のために、セントラルリフィル調剤が増加している。
ジェネリックドラッグの成長は著しく、調剤金額ベースでは18%程度のシェアだが、調剤枚数では77%のシェアを持つように成長した。
今後の小売の調剤薬は、2012年は2900億ドルで前年比5.3%アップ、2013年は5.2%成長、そして2014年は65歳以上のメディケアの人々(3千万人)もカバーされるようになるので、10.7%成長し、2015年に3900億ドルになると予測されている。2015年〜2020年まで平均年率7.2%成長予測。その成長のほとんどは年率16.8%成長予測のジェネリック薬から来ている。特に2011年に135億ドル市場のブランド処方薬のパテントが切れたことと、新たなパテント切れも加わってさらに拡大することが予測されている。
現在ウォルグリーンとPBM(薬剤給付管理会社)のExpress Scriptとの間では取引を中断しているが、今後巨大化するPBMとの激しい戦いも予測されている。

【2010年小売調剤市場】
市場
金額 ($億)
前年比 (%)
構成比 (%)
チェーンドラッグ
1066
+1.3
40.0
メールオーダー
626
+2.2
23.5
独立ドラッグ
447
+2.5
16.8
マスマーチャンダイザー
266
+3.6
10.0
スーパーマーケット
259
+0.3
9.7
小売合計
2664
+2.0
100.0


下記は調剤ランキングだが、トップ10に何とドラッグストア以外の業態3社が入っているのは驚きだ。ウォルマートは調剤小売では第4位だが、4ドル(30日分)ジェネリックドラッグプログラムにより調剤市場で一躍有名になった。そして今では90日分10ドルや1000アイテムのOTC薬を4ドル以下で販売している。

【2011年度米国調剤売上高ランキングトップ20】

企業名
調剤
売上高
($百万)
年間
総売上高
($百万)
調剤
売上比率
(%)
総店舗数
調剤店舗数
1
ウォルグリーン(ドラッグ)
46,700
72,200
64.7
7,770
7,770
2
CVS(ドラッグ)
40,700
107,100
38.0
7,327
7,271
3
ライトエイド(ドラッグ)
17,800
26,100
68.2
4,667
4,667
4
ウォルマート(ディスカウントストア)
15,900
264,200
6.0
3,866
3,750
5
リーダー(卸カーディナルのVC)
13,700
15,900
86.2
6,380
6,380
6
クローガー(スーパー)
7,200
90,400
7.9
2,435
1,955
7
グッド・ネイバー・ファーマシー
(卸アメリソースバーゲンVC)
7,200
8,220
87.6
3,667
3,667
8
ヘルス・マート(卸マッケソンのVC)
5,900
7,300
80.8
2,900
2,900
9
セーフウェイ(スーパー)
3,900
43,600
8.9
1,678
1,310
10
アメリカン・アソシエイテッド・ファーマシー
3,500
3,920
89.3
2,087
2,087


ドラッグストア成功のカギは良いサービスによる顧客満足だ。J.D.Power&Associateが行っている調査によると、調査対象サービス関連業種でファーマシーが最も満足度の高いビジネスになっている。同社のナショナルファーマシースタディによると、チェーンドラッグトータルの満足度は1000点満点中805点であった。ドラッグチェーンの中で、独立ドラッグで構成されるコミュニティ−ファーマシーフランチャイズが最高の満足度を獲得した。例えばグッド・ネイバー・ファーマシーは869点、ヘルス・マートは856点だ。スーパーマーケットのファーマシーも満足度が高くドラッグチェーンより高い824点。パブリックスは862点、ウエグマンは859点、ウインデキシーは853点。一方大手のチェーンドラッグウォルグリーンは807点、ライトエイドは794点、CVSは789点とスーパーの企業より低かったことは、大手ドラッグストアは反省しなければならない。

米国はプライマリーケアの医師の不足が顕著で、インストアクリニックの重要性が高
まっている。このインストアクリニックで受けるサービスの質が高く、通常のクリニックと変わらないために、保険のある人にも保険の無い人にも大変好評だ。保険を持たない人は比較的低コストで、軽医療を施してくれるので助かる。また保険のある人はこれらのクリニックを利用するほうが、医師にかかるよりアポイントが取り易く、気軽に治療を受けられる。CVSのミニッツクリニックでは22%も患者が増えており、この傾向は今後数年続きそうだ。そのためCVSは年間100箇所のインストアクリニックをオープンする予定だ。このインストアクリニックはヘルスケアコストの44億ドルの削減にも大変貢献すると考えられている。また病院の急患室の利用よりインストアクリニックの方が、患者は279ドルから460ドルの節約になる。ウォルグリーンの傘下の会社のデュエンリードでは医師がインストアクリニックに常駐しており、診察、治療、ヘルスチェック、免疫注射そして専門医への紹介を行っている。ウォルグリーンは店内のテイクケアクリニック及び企業内のヘルスセンターの両方で700箇所以上を展開している。ウォルマートは国内に4000店舗強あるが、郊外の店や小さな街の117店舗でインストアクリニック機能を持っている。インストアクリニックに力を入れるのは、患者の評判が良いこと、黒字化できるサイズに育ったこと、そしてインストアクリニック客の70%はその店の調剤客になってくれること、そして80%の客がジェネラルマーチャンダイズ商品を、38%の顧客がOTCを来店したときに購入してくれるからだ。

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